「沖縄の」問題ではない!私たちの問題として辺野古代執行にNO! 地方分権を踏みにじる国の介入に抗議します
「沖縄の」問題ではない!私たちの問題として辺野古代執行にNO!
地方分権を踏みにじる国の介入に抗議します
2023年10月31日
東京・生活者ネットワーク
玉城デニー沖縄県知事は10月4日、名護市辺野古の米軍基地建設に関する設計変更申請に対し、「承認は困難」と判断を保留としました。これを受けて国は、国が県に変わって承認する代執行の訴訟を起こし、昨日10月30日、即日結審されました。国が代執行に至れば、初の事例となります。
地方自治の現場で活動する東京・生活者ネットワークは、これを極めて重要な問題ととらえ、地方自治と分権を踏みにじる国の対応に抗議します。
危険極まりない宜野湾市の米軍普天間基地の移設計画として、名護市辺野古で基地建設のための埋立て工事がすすめられています。
辺野古の海の一部は「マヨネーズ」と称されるほどの軟弱地盤の存在が明らかになったことで、海底に7万本以上の杭を打ち込む地盤改良工事の承認を2020年4月、防衛省は沖縄県に申請しましたが、沖縄県は不承認としました。承認しない沖縄県に対して国が行った「是正の指示」の違法性が争われた裁判において、地裁・⾼裁いずれも沖縄県が敗訴し、去る9月4日最高裁判決で、沖縄県の敗訴が確定しました。
この判決を受け、沖縄県の⽟城知事はその重みを受け⽌めつつ、2019 年の県⺠投票で 7 割 が辺野古の基地建設予定地の埋め⽴てに反対したこと、知事の選挙公約でも移設反対を掲げて当選したことなども考慮した上で、「承認」は困難と表明しました。ところが知事の表明を受け、即座に国交相は代執⾏に向けて福岡⾼裁へ提訴に踏み切ったのです。
どんなに抵抗しても、国が決めたことに抗えない—そんなことがまかり通っていいはずがありません。
地方自治法では「最後の手段」とも言える代執行に向けた手続きを進める条件として① 県が国の代わりに行う事務を怠った明らかな違反があること、②「代執行」以外の方法で の是正が困難であること、③著しく公益を害することが明らかであること、の 3 つが示されています。しかしながら、今回の「代執行」訴状を見る限り、そのすべてにおいて国の主張は全く根拠がありません。とりわけ、②については、県との協議を一切行わなかったこと、③については、「公益」を「国の利益」のみに限定していることは、地方分権改革の基本である「国と自治体は対等の関係」に完全に違反しています。
さらに、全国知事会も、2021 年以来、沖縄県の問題提起を受け、今回のような介入= 「裁定的関与」のあり方の見直しを強く求めています。
辺野古の基地建設が沖縄の振興に、また外交上の安全保障となるのか。沖縄の人々を分断し、貴重で豊かな自然を破壊してまで作らなければならないものなのか。本質的な国民的議論が抜け落ちています。
そもそも工期は長期に渡ることが予測され、普天間基地の危険性の早期除去にはつながりません。また建設後に生じる多額の基地維持費用は、国の財政を圧迫します。
東京・生活者ネットワークは、辺野古の新基地建設はただちに中止し、普天間基地は速やかに返還すべきと考えます。
代執行は国の地方自治への直接介入にあたり「私たちのことを、私たち抜きで」決められてしまう状態となり、今後の全国への波及も懸念されます。国の都合の前に、地方自治体はなすすべもないのでしょうか。これを決して「沖縄の問題」として遠巻きに眺めていてはいけない。だからこそ、この沖縄で起きていることを自分たちの問題として、一人ひとりが受け止め、対話を求める県の要請に耳を傾け、代執行をやめてほしいと、国に対して声をあげていかねばならないと考えます。
東京・生活者ネットワークは、玉城デニー沖縄県知事の改良工事不承認を貫く姿勢を全面的に支持し、沖縄の民意に沿った司法の判断を求めます。