放射能汚染水(処理水)放流中止日韓市民徒歩行進、国会へ/「経産省前テントひろば」12周年大集会開催される
放射能汚染水(処理水)放流中止日韓市民徒歩行進~東京行動
9月11日午後、JR新橋駅のSL広場には、「放射能汚染水(処理水)放流中止日韓市民徒歩行進」の李元栄(イ・ウォニョン)さんと、ソウル~釜山~下関~広島~大阪~京都~名古屋~静岡~横浜~東京の最後の行程である、新橋駅から国会議事堂前のコースをともに歩こうとおおぜいの市民が集まった(約200人)。生活者ネットメンバーも参加した。
李元栄さんは、前水原(スウォン)大学教授(都市工学)。李さんは、6月18日、韓国ソウルを出発、釜山から下関にわたり、「放射能汚染水(処理水)放流中止日韓市民徒歩行進」の横断幕や「放射能汚染水海に捨てるな!」ののぼり旗を掲げアピールしながら、86日間、1600kmを歩き通し、東京に到着した。その道中では、通過する各地域の「原発いらない」「汚染水流すな」との意思を表明する市民たちが、代わる代わるいっしょに歩いてきた。
この日は、最終行程を歩いて国会前まで行き、「汚染水放出中止!韓日市民書簡文集」(ともに歩いた人たちのメッセージ集)と陳情書を、衆議院議長に渡すことをめざしている。
李さんの「日本政府はひどい間違いをしている。国民に聞くこともなく、こんなひどいことをしでかした。民主国家というならばあり得ないことだ。政府が間違っている時は国民が直接正さなければならない。これから行って正そう」とのスピーチのあと、行進が出発。一行は、まず、東京電力本店前で、東電社長あてに、徒歩行進者有志名の「抗議・申し入れ書 放射能汚染水の海洋投棄を直ちにやめてください」を手渡した。
さらに行進は、経産省前テントひろばを経て、衆議院第二議員会館前に着いた。ここで、議員会館前の狭い歩道は、行進の市民でいっぱいになった。事前の打ち合わせでは、その場で、入院中の衆議院議長の代理・衆議院の議事部請願課の担当者に、陳情書と書簡文集を渡すことになっていたのだが、李さんは「この狭い通路では皆から託された書簡は渡せない」「公共の場をなぜ市民に使わせないのか。警察はこの国の主権者・国民に礼儀を尽くさねばなりません」と主張する。交渉の末、李さんと数人が、建物の中へ。そして衆議院議員会館内の請願窓口では写真撮影ができないということで、結局、大椿裕子参議院議員(社民党)の議員事務所(参議院議員会館内)での提出、撮影となった。
李元栄(イ・ウォニョン)さんのブログ(日本語訳あり)
https://cafe.daum.net/earthlifesilkroad/kUxW
9.11「経産省前テントひろば」12周年大集会
2011年、3.11の福島原発事故から半年後の9月11日、経産省の敷地の一角に市民有志がテントを建て、「脱原発」を発信する拠点となった。その後、国によってテント自体は撤去されたが、現在でも、横断幕を掲げて経産省前での座り込みが毎日取り組まれている。
9月11日、経産省前テントひろば12周年大集会が経産省前の歩道で開催された。
福島から海洋放出反対のキャラバン行進(9/6~9/11)をしてきた、郡山市の黒田節子さん、請戸の海岸にテントを建て、釣った魚の放射能を調べるのだと意気込む、希望の牧場の吉沢正巳さんや、ルポライターの鎌田慧さん、テントの座り込みメンバーなどが発言。弁護士の河合弘之さんは、原発汚染水問題で、8日、漁業関係者が原告となり、福島地裁に放出差し止め訴訟を提訴したことを報告。「汚染水を止める闘いは正義の闘いだ。もっと多くの原告の人たちと止めるまで闘う。一緒に取り組みましょう」とよびかけた。シンガーソングライターの朴保(パク・ポー)さんは、反核・反原発ソングを歌いあげた。
なかでも、ソウルから東京まで、86日間、1600kmを歩き続けた「放射能汚染水放流中止日韓市民徒歩行進」の李元栄(イ・ウォニョン)さんが、日韓市民のメッセージを、この日、衆議院議長あてに提出した報告に注目が集まった。李さんが強調したのは、汚染水の放出を、国民の声を聴かずに政府が決めたことのおかしさ。「市民は立ち上がって汚染水の海洋放出を止めなくてはならない」と語った。
集会の最後に、参加者は、経産省にむかって「放射能汚染水を海に流すな!」「原発とめろ!」のコールを繰り返した。
経産省前テントひろばHP
https://tentohiroba.tumblr.com/
9月11日李元栄(イ・ウォニョン)さんのお話を聴く夕べ
この日、19時からは、日比谷コンベンションホールで、「9月11日李元栄さんのお話を聴く夕べ~86日間を歩き終えて、おもうこと。日本人への心からのメッセージ~」が開かれた。
李さんのブログ翻訳チームの鍬野保雄さん(下関市)が進行し、まず、ブログから抜粋の画像で行進の様子を紹介した。
李元栄さんの熱のこもった講演のあと、韓国からかけつけた仲間の方々も登壇した。最後は、参加者が李さんを囲んで記念撮影。
◇放射能汚染水(処理水)放流中止日韓市民徒歩行進◇
李元栄さんは、次のように訴えて出発した。
―「放射能汚染水 放流中止 韓日市民徒歩行進」を始めるにあたり―
なぜ無理やり海に捨てるのか分かりません。
海の生態系が破壊されます。
放射能は半減期があるので、保管さえきちんとしておけば著しく減らすことができます。
なぜ保管できないのですか?
日本政府は多くの生命を故意に破壊するのを止めねばなりません。
人類自滅のテロは中止しなければなりません。
今や地球村住民が立ち上がらなければなりません。
韓国と日本の市民たちが歩いて
これに目覚めさせ放流を止めようと思います。
共に歩けば成し遂げられます。
東京・生活者ネットワーク ステートメント「地元関係者の同意も国民的議論もないまま、放射性廃棄物取扱いにかんする根本問題を無視――ALPS処理汚染水の海洋放出に抗議し、中止を求めます」