子どもの声を聴こう!~子どものマスク着用について
■「コロナに負けるな!子どもアンケート」から
コロナ禍で子どもたちは多くの我慢を強いられています。東京・生活者ネットワーク子ども部会では、何よりも子どもたち本人の声を聴くことを大事にしたいと考え、「コロナに負けるな!子どもアンケート」を実施し、3月15日から5月31日までに子ども116名、保護者174名から回答を頂きました。
アンケートでは多岐にわたる質問をしましたが、その中でマスクについての子どもたちの声についてお知らせします。
マスクをしていると、自然な呼吸ができず、苦しいものです。アンケートでは、小中学生98人中、マスクをつけたいは30人、つけない方がよい18人、つけたくないけどつける30人、周りがつけたらつける19人という結果でした。
学校でマスクが苦しいときは、外せる41人、外せない14人、外しづらい42人です。外せない、外しづらいを合わせると56人(58.1%)で約6割の子どもが外したくても外せないでいます。
すでに5月20日には、厚生労働省から「マスクの着用の考え方及び就学前児の取扱いについて」が公表されています。熱中症で搬送される子どもが急増したこともあり厚生労働省と文部科学省は「子どものマスク着用について」というリーフレットを合同で発行し、「外ではマスクを外しましょう」「熱中症になるような暑い日や、「苦しい」と感じるときは特に、マスクを外しましょう」「黙っているときや、十分離れているときは屋内でもマスクを外しましょう」と呼びかけています。テレビCMまで放送して「屋外でマスクを外してもよい場面」をうながしていますが、このアンケート結果からもわかるように、学校でのマスク着用緩和が進まないのは何故でしょう?
子どもたちが、2年にわたるマスク着用により、「慣れ」や「学校での指導」「人の目を気にする」などの理由から、マスクが苦しくても「適切にマスクを外す」ことができなくなっているとしたら、その影響は看過できないものです。
「外せるときは外しましょう」と言っても、周りの先生や友達に注意されたりと、まだまだ外しづらい環境なのです。子どもの声を聴き、子ども同士で、「どんな時に外して大丈夫か?」もっともっと話し合う機会を学校でつくっていく必要があるのではないでしょうか。
子どもの力を信じて、自分で考えて判断し行動する力を取り戻す必要があります。
とても暑い日や苦しい時には、自分で外せる判断ができないと危険です。コロナに感染したら大変という家族がいれば、自分もかからないよう注意をするでしょう。クラスに病気や医療的ケアの必要な友達がいれば、どうしたら感染を防げるか皆で真剣に考えるでしょう。障がいがあったり、気管支や肌が弱くてマスクをするのがつらい友達がいることも知る必要があります。
遊んだり、スポーツしたり、歌っても、離れていれば大丈夫だと、子どもでも十分理解できるはずです。
一方的にマスクを「つけよう」とか「外そう」と指示するのではなく、「何故マスクをするのか」「何故外しても大丈夫」なのか、よく考えて、分かり合う、理解しようとする姿勢が必要です。
いまこそ、子どもの力を信じて、子どもの声を受け止め、大人ができることは何かを一緒に考えるときです。
(※「コロナに負けるな!子どもアンケート」結果は近日中にお伝えします。)