「東京オリンピック・パラリンピック2020」の中止を強く求めます!

「東京オリンピック・パラリンピック2020」の中止を強く求めます!

 

2021年5月22日

東京・生活者ネットワーク

 

東京・生活者ネットワークは、開催予定日まで2カ月となった「東京オリンピック・パラリンピック2020」の中止を強く求めます。

 

新型コロナウイルス感染症の国内外での流行に収束の兆しは見られず、爆発的な感染拡大にさらされているインドの状況が報道されるなど、世界は依然、厳しい状況に置かれています。亡くなられたかたは340万人を超えて増え続け、日本国内においても1万人以上のかたが命をおとされました。

そもそもまやかしの「復興五輪」「アンダーコントロール」発言で招致された、東京オリンピック・パラリンピック2020。国内に目を向けると、多くの国民を休業や失業による生活困窮に追いやりながら、しかし、感染拡大の傾向に歯止めがきかないばかりか、変異株の脅威にさらされている局面にあり、一方で、希望する国民・都民へのワクチン接種はその緒についたばかりです。「ウイルスに人類が打ち勝った証として」の開催などはもはや笑止・禁句であるのが現実です。これら現実を日本政府および東京都は目を逸らさず、しっかりと見定めるべきです。

 

経済的影響においては、そもそも招致時には7340億円とされていた開催経費が、すでに1兆6440億円にまで膨らんでいるとされており、開催を強行した際のコロナ対策費用等の試算も含め、国・東京都・JOCは詳細な内訳を情報公開すべきです。「開催しないと経済効果が失われる」の一点張りでは国民の理解は得られないどころか、次世代に大きな負の遺産を残すことにもなりかねません。コロナ禍の中、若者・女性たちの自殺が急増している事実を見据え、いまなすべきことは、開催に向けてこれ以上税金や人材投入を増やすことでなく、お金と人をコロナ対策と生活保障へと充分に振り向けていくことです。

 

さらに、オリンピック・パラリンピックの精神に基づくならば、日本国内やいわゆる先進国にだけ目を向けるのでなく、グローバル・サウスといわれる国々―先進国の豊かな生活の陰で経済的な貧しさだけでなく気候変動など環境影響にも翻弄される地域―にこそ配慮し、包括的に判断し、行動することが招致国・日本の、そして開催都市・東京の責務です。東南アジアやアフリカ諸国などの地域には、ワクチン接種体制が整っておらず、不十分な保健・医療体制の下で感染対策に苦闘している国々が数多くあり、こうした世界の不均衡と私たちは無縁でありません。

 

世界が、私たちすべての国民・都民が「コロナ災害」と闘っているいまだからこそ、歴史が証明する、商業主義にまみれたオリンピック・パラリンピックのあり方を見直す機会とすべきです。東京・生活者ネットワークは、選手も含めたすべての人の命と人権、そして環境を優先する持続可能な社会への希求、そのためのゆるぎない提起として、一日も早く開催中止を決断するよう、日本政府と東京都に強く求めます。

以上

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