2020年都知事選挙方針
東京・生活者ネットワーク 2020年6月10日
2020年は、東京オリンピック・パラリンピックの年となるはずでしたが、新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威を振るい、経済格差や医療格差が明らかとなり、都市が抱える矛盾を白日の下にさらしました。日本では対策が後手に回り、PCR検査体制すらつくれない政府のふがいなさが露呈しました。なかでも東京の感染者は多く、東京オリンピック・パラリンピックは1年延期となりましたが、開催自体の是非が問われています。
外出自粛、休業要請によって、仕事や住まいを失い生活困窮に陥る人、家があっても虐待やDVなどでつらい状況に追い詰められている人たちが多くいます。全国一斉休校は、子どもの学び、遊び、居場所ばかりか、給食がないために食の保障まで奪いました。また、感染防止のために、介護や介助をあきらめる高齢者、障がい者もおり、社会的に弱い立場の人に深刻なしわ寄せが及んでいます。
小池都政は、スタート時に豊洲やオリンピック会場問題が注目を集めたものの、結局、元の計画に戻るだけで混乱を招きました。4年の間には、生活者ネットワークが求めてきた公文書管理条例、人権尊重条例、障害者差別解消条例、犯罪被害者等支援条例、虐待防止条例やソーシャルファームの条例などを制定。また、気候危機行動宣言(気候非常事態宣言)の発出など形の上での枠組みはできましたが、ここに当事者の視点、現場の声を反映させ、施策として結実させることが大きな課題となっています。
東京・生活者ネットワークは、情報公開、脱原発、人権尊重、ジェンダー平等はもとより、子ども・若者政策、超高齢社会を支える政策を進めてきました。コロナの影響により社会構造や産業構造が変化する中、これまでも訴えてきた自然との共生、食・エネルギーの地産地消をさらに推し進めていかなければなりません。1390万人を抱える東京都の知事には、地方行政のトップとして足元の生活課題に優先的かつ着実に取り組むことが求められます。
東京・生活者ネットワークは、東京を「生活のまち、安心・共生・自治のまち」にするために、市民団体と連携し2020年東京都知事選挙に取り組みます。