新型コロナウイルス 「宣言」だけでなく、市民の生活と命を守るための実効性ある支援を!
政府は4月7日、新型コロナウイルス対応を盛り込んだ新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき緊急事態宣言を発令しました。対象区域に東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県を指定し、4月8日から5月6日までを期間に、知事に権限を与えるかたちで外出自粛要請、イベントの開催や施設使用などに制限がかけられます。
人口密集地である東京都では、迅速な対応が求められてきましたが、最近では感染者数が100人を超える日が続き市民の不安が高まっていました。小池知事は自粛要請の対象となる業種の中小・零細事業者への感染拡大防止協力金など独自支援を行うと発表していますが、生活者ネットワークとしても国の支援策の詳細と併せ、生活の持続保障を鮮明に打ち出すよう強く求めます。
オリンピック開催の判断を待ち対策に遅れが出たとの懸念もあるなか、国と東京都が実施すべきは、直接的な生活支援と安心できる医療体制の構築です。
ホテルでの医療体制確保や収入減となった世帯への現金給付施策など、小出しに情報は流れていますが、救済策の全体像の提示や感染者数と検査者数との関係など、政府・東京都は市民への情報提供や情報公開をしっかりと行い、先の見通しを示すことが市民の不安を払しょくするために不可欠です。その姿勢が行政への信頼感につながり市民の行動にも影響します。
特に、安倍政権は数ある過去の情報隠蔽や改ざんなど市民の不信をかう政治的行為をたびたび重ねてきました。現状では、確実に市民生活に届く施策が、「世帯にマスク2枚」という心もとなさのなかで、非正規雇用者や個人事業主、医療や介護、保育に携わる人たちを守りながら新型コロナウィルス感染の鎮静に動いていくのか、緊急事態宣言が本当に市民のために行使されていくのか、ローカル発・市民社会による権力の監視も重要です。
また、自治体においてはコロナ対策だけではなく、すでにある制度や施策をいかに使って市民生活を守るか知恵を絞ることが求められています。家庭にこもることが多くなり、子どもの虐待やドメスティック・バイオレンス(DV)が、しかも各国で増えているというショッキングな報道からも、見えないところでの生活への影響も深刻です。問題が深刻化するなかだからこそ、弱い立場にある人の支援や、子どもの最善の利益に配慮した支えあいが必要です。
「宣言する」だけでは何も解決しません。いまこそ、市民と行政による冷静な自治の力と行動で感染拡大を封じ込め、一刻も早い終息を迎えることができるよう、生活者ネットワークは力を尽くしていきます。
2020年4月7日
東京・生活者ネットワーク
東京都新型コロナウイルス感染症対策サイト https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/
東京都緊急事態措置に関する情報サイト https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/1007617/index.html