パワハラ防止指針・セクハラ防止改正指針が決定 生活者ネットワークは徹底した防止対策、そして禁止を求めます!

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パワハラ防止指針・セクハラ防止改正指針が決定
生活者ネットワークは徹底した防止対策、そして禁止を求めます!

 

2018年に次々と発覚した官僚や首長によるセクシャル・ハラスメントは、その対応を含めこの国の女性蔑視の実態を露わにし、「#Mee Too」「#With You」運動へとつながっていきました。しかし、女性たちの怒りに政府は真摯に応え、本気でセクハラや性暴力を根絶しようとしているでしょうか?! 答えはNO!です。

■厚労省は1000件を超えるパブコメを無視

厚生労働省は11月20日にパワハラ防止指針案とセクハラ防止指針改正案を公表。1カ月間のパブリックコメント募集を行い、12月20日までに1139件もの意見が寄せられました。が、わずか3日後の23日、意見の反映がまったくないまま正式な指針・改正指針として決定されました。この短い期間に意見を精査し議論することができたのでしょうか? あまりにも形骸化したパブコメのプロセスは国民軽視としか言いようがなく憤りを禁じえません。

この間、厚生労働省は職場でのパワハラやセクハラを防止するための女性活躍・ハラスメント規制法(パワハラ防止法)の施行に向け、労働政策審議会雇用環境・均等分科会で指針案・改正案について議論をしてきました。案の発表に前後して、就活生へのセクハラに抗議する団体、フリーランス(個人事業主)当事者団体、LGBTQ当事者団体が、それぞれに声明を出し指針の対象に位置づけ対策を義務化するよう求めています。

■生活者ネットは被害当事者を代弁する立場でパブコメを提出

東京・生活者ネットワークはかねてから女性差別であり人権侵害であるセクハラを許さないと主張し続け、現在は「女性が暮らしやすいまち~女性の安全安心調査プロジェクト」を立ち上げ、セクハラ・DV・性暴力を根絶する地域社会づくりをめざし活動しています。女性たちの声を代弁する地域政党の立場として、指針案にもパブリックコメントを提出しました。

内容は、当事者の声を受けての就活生、フリーランス、LGBTQ対象の対策のほか、多くの専門家が指摘する「該当しないと考えられる例」の提示の削除、素案の段階まではあった「労働者の主観にも配慮すること」というハラスメント被害者の視点に立った判断を盛り込むこと、相談・調査・検証いずれの段階でも第三者による対応を義務化すること、などです。これまで地域で集めた声や、前述のプロジェクトでの連続学習会や被害当事者・支援者へのヒヤリングを通してあらためて必要性を痛感した事柄です。

東京・生活者ネットワーク 「女性が暮らしやすいまち~女性の安全安心調査プロジェクト」は、セクハラ、DV、性暴力をテーマに調査に向けての準備を進めている。写真はDVと性暴力をテーマにした学習会。講師は戒能民江さん

 

■この指針でセクハラ・パワハラをなくせるのか?

指針案は事業者側に有利な内容であると指摘する声もあるなか、パブリックコメントへの不誠実な対応は、国の本気度のなさの表れとして捉えられても仕方ありません。今年6月に日本も採択したILO(国際労働機関)の条約の実効性は、この指針ではとても担保できません。

そして、先日発表されたジェンダーギャップ指数は世界110位から後退しての121位! 政治分野の下院議員=衆議院議員女性割合は10.1%(世界平均25.2%)、女性閣僚5.3%(世界平均21.2%)の低さはもとより、経済分野での男女の収入格差や管理職の割合などでも世界平均を大きく下回っています。この指数の背景には、セクハラ防止策も大きくかかわっていることは言うまでもありません。

お茶の水女子大学名誉教授の戒能民江さん

女性の安全安心調査プロジェクトでは、自治体によるセクハラ対策を含め調査しランキング化する予定です。女性が持っている個人としての力をいきいきと発揮できる社会づくりに向けて、生活者ネットワークはあきらめず行動していきます。

女性の安全安心調査プロジェクト・リーダーのじつかわ圭子(東大和市議会議員)

 

 

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