「政治分野における男女共同参画推進法案」 今国会での成立は困難に
「政治分野における男女共同参画推進法案」 今国会での成立は困難に
-クオータ制を推進する会主催「6月15日 緊急院内集会」に参加-
通常国会での成立が期待された「政治分野における男女共同参画推進法案」。が、会期末を控え、成立が危ぶまれる状況になっている。
「クオータ制を推進する会(略称:Qの会)」は、政治分野におけるクオータ制(注)の推進を目的に活動を重ねており、現在、63の団体が賛同団体として参加、東京・生活者ネットワークもその1団体として活動。
注:クオータ制…候補者・議席の一定比率を女性に割り当てるしくみ
Qの会が長年にわたり働きかけを行ってきた「クオータ制」は、紆余曲折を経て、「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律案」というかたちで、理念法ではあるが、“超党派”の議員立法の成立へと、大きく前進するはずだった。今年2月頃には、マスコミ各社が本法制に注目、「『政治分野における男女共同参画推進法案』が、今国会で成立する見通し」と報道していた。
ところが、国会閉会まであとわずかとなっても、未だに成立の見通しが立っていない(会期は18日までだが、事実上16日で閉会と報道されている)。
緊急院内集会と銘打った本日(6/15)の集会には、国会議員も駆けつけ、重要法案を抱え、与野党攻防の中、内閣委員会が長期間開かれなかった「日程的」な問題について説明された。しかし、根底には、今の国会の問題がある。
図らずも、今日(6月15日)の緊急集会は、「共謀罪」(改正組織的犯罪処罰法)が強行採決で成立した日と重なった。与党が、委員会採決を省略する「中間報告」の手続きで、一方的に参院法務委員会の審議を打ち切って本会議採決を強行、昨夜からの徹夜国会の末、今朝、参議院本会議において、賛成多数で可決したのである。
院内集会では、その怒りも加わり、議会制民主主義の危機を訴える声が相次いだ。そして、国会の“非常識”の要因の大きなひとつに、女性議員が極端に少ない現状があるとの指摘もあった。
「Qの会」顧問の三浦まりさん(上智大学教授)は、トランプ政権への危機意識の中で、議員として政治に参画しようとする女性が増えているアメリカの状況を紹介、民主主義が機能していない現状に対し、市民が諦めずに声を上げ続けていく必要があるとコメントした。
秋の臨時国会、もしくは来年の通常国会での成立に向け、気持ちを新たにしてロビー活動を続けながら、社会に対しても、政治分野への女性参画推進の必要性を訴えていくことを確認した集会となった。