高江ヘリパッド建設に37カ国から反対の声! 生活者ネットワークも共同声明に賛同し、沖縄の自治を応援します
■やんばるの森と住民の生活を守れ! 高江ヘリパッド建設に37カ国から反対の声
8月4日、37カ国のNGO・市民団体や個人(155団体、5681人)が、沖縄県東村・国頭村にまたがる北部訓練場の高江周辺の米軍ヘリパッド建設中止を求める共同声明を発出した。
声明では、ヘリパッド建設が行われている沖縄本島北部のやんばるの森が、ヤンバルクイナやノグチゲラなど多くの固有種・希少種の生息域でもあり、生物多様性保全の上でも、世界的に重要な地域であると指摘。また、機動隊が反対住民を暴力的に排除している事態の異常さとともに、かけがえのない自然と人々の暮らしを壊す高江のヘリパッド建設の強行を直ちにやめるよう日米両政府に求めている。
日本政府によるヘリパッド工事の強行をうけ、日本の複数の市民団体・環境団体などがインターネットを通じて5日間声明案への賛同を呼びかけたもので、さらに賛同を集め、8月22日午後に防衛省に提出した(22日現在では、共同声明への署名は、61カ国の231団体、14,011人となった)。
8月22日高江・米軍ヘリパッド建設反対-防衛省・環境省・警察庁との交渉報告
生活者ネットワークは共同声明に賛同、沖縄県東村・国頭村の人々とともに歩み、沖縄の自治を応援します。
声明本文は以下の通り。※問い合わせ先:国際環境NGO FoE Japan(認定NPO法人)※署名はまだ継続しています。署名募集
■生物多様性の宝庫、やんばるの森と住民の生活を守るために行動を! 高江ヘリパッド建設中止を!
「やんばるの森」は、沖縄島北部の国頭村・東村・大宜味村にまたがる亜熱帯の森。ヤンバルクイナをはじめ、地球上でこの森や琉球列島にのみ生息し独自に進化した固有種が見られ、特有の生態系が形成されています。また多くの絶滅危惧種を含む希少種や固有種が生息しており、世界的な生物多様性保全の上でも重要な地域とされています。その価値が認められ、現在、世界自然遺産登録に向けての取り組みが進められています(注1)。
東村高江は人口150人ほどの小さな集落。自然豊かな環境で住民は平和に暮らしてきました。住民たちは、やんばるの森を「神々のすむ森」として畏敬し、守ってきました。しかし、集落を取り囲むように、6か所の米軍オスプレイ用離着陸帯が造成されようとしています。住民の強い反対にも関わらず、すでに2つは出来てしまい、耐えがたい騒音をまき散らしてオスプレイが昼も夜も飛び続けています。
今年7月になって隣接する国頭村安波の4か所を造成するために、政府は日本中から500人もの機動隊を派遣し、座り込みの抗議行動を非暴力で行う住民と支援者を暴力的に排除しました。この結果、頸部を圧迫された女性、ろっ骨を折られた男性など、3人が救急搬送されました(注2)。また、沖縄防衛局は市民のテントや全国からの支援物資を持ち去りました。この行為を含み、日本政府の今回の強行手段は違法性が高いものであると複数の弁護士が指摘しています(注3)。
日本の本土のメディアは、ほとんどこの状況を報じません。
私たちは、日米両政府に訴えます。このように、人権を踏みにじり、かけがえのない自然と人々の暮らしを壊す高江のヘリパッド建設の強行を直ちにやめてください。
私たちはまた、日本・世界のメディアに訴えます。この信じられないような沖縄県東村・国頭村の状況を取材し、真実を報道してください。
私たちは、日本および世界中の心ある市民に訴えます。生物多様性の宝庫であるやんばるの森を守るため、必死で抵抗を続ける人たちのために、声をあげ、行動をおこしてください。
注1)ただし、日本政府による、やんばるの世界自然遺産推薦候補地は、比較的開発が進んだ国頭山地西側だけで、良好な自然が残されている東側の米軍北部訓練場は除外されている。
注2)複数の住民・支援者の証言および多くの映像資料による。
注3)指摘されている違法行為は、(1)県道にもかかわらず、県側の許可を取らずに金網のフェンスを張った、(2)県道にもかかわらず、明確な理由なしに封鎖し、検問を行ったこと、(3)住民側のテントおよび支援物資を持ち去ったこと、(4)N1に至る道を営林署への事前協議なしに立木の伐採を行った疑いがあること――などである。