3.11東日本大震災から5年 震災を風化させない!核=原子力発電は全廃へ!
3.11東日本大震災、続く東京電力福島第一原発事故発生から数えて、11日で、5年となりました。未曾有の被害をもたらした震災により、犠牲となられた多くの方々に、あらためて哀悼の意を表しますとともに、現在なお避難生活を余儀なくされている17万余の被災者の皆さまに、心からお見舞い申し上げます。
◆大震災から5年 震災を風化させてはならない
亡くなられた方は12都道県合わせて1万5894人、行方不明者は6つの県合わせて2561人、また、避難生活に伴う体調悪化などで亡くなられた、いわゆる震災関連死は10都県で合わせて3407人と、震災による犠牲者は2万1000人を超えています。国の集中復興期間は今月で終了し、復興計画は転換期にあるとし
ていますが、頼みの「災害公営住宅」の建設は1万4466戸と、当初計画であった2万9900戸余の計画に対し48%の供給に留まるなど、被災地の人々は、依然困難な生活を強いられているのが現状です。大きな課題として横たわる復興の遅れ、中長期には世代を超えて深刻化する心のケアはますます重要になっていきます。
◆3.11原発事故から6年目、被害者支援の充実と、核=原子力発電からの脱却を
一方、3基の原子炉が次々メルトダウンに至るという、世界最悪・レベル7の過酷事故を起こした東京電力福島第一原子力発電所では、事故収束・廃炉に向けて、被曝労働を伴う懸命の努力が今日もなお続いています。夥しい量の放射能汚染水が海洋に漏れ続け、放射性廃棄物の中間貯蔵・処理問題は解決の糸口さえ見あたらないにもかかわらず、かつ年間追加被曝線量が1mSvを下回ったことが科学的に実証され、原発サイトにおける事故再発の危険性が完全に除去されるまでは避難指示を維持し、帰還を強要すべきではないと訴える被害住民の意思を無視して、避難指示区域が次々に解除され、あろうことか区域外避難者向けの住宅支援は2017年3月にも打ち切られようとしています。こうした中、事故時福島県下に居住していた子どものうち、160人を超える子どもが甲状腺がん等と診断され、うち100人を超える子どもが手術を受けるなど、年少者の健康被害は深刻かつ重大な局面を迎えています。
さらには、国民の大半が脱原発を切望し、立地自治体の大多数の住民の不安をよそに、川内原発、高浜原発が再稼動されました。遡る3月4日、安倍政権は「地球温暖化対策計画」の原案を公表し、昨年末に採択された新たな国際ルール「パリ協定」を受け、温暖化ガスの排出について、2050年に現在よりも80%減との数字を示しました。しかしながら問題は、福島原発事故の被害を無視し、まるで事故など無かったかのように、原発を二酸化炭素を出さない発電として積極的に活用して温暖化対策に資するとしていること。日本全体が放射能で汚染され続けている実態や被害者をも顧みない政府の態度に、疑念はいや増すばかりです。
私たちは、福島第一原発事故の収束もままならない状況で、被災者を切り捨てて原発再稼動に邁進し、原発プラントの海外輸出に腐心する日本政府に強く抗議するとともに、核=原子力発電から一刻も早く脱却し、地域分散型・持続可能なエネルギー社会の実現を求めて活動していきます。
1.子どもたちと市民の健康を第一義に、放射線防護の観点に立った被災者支援政策の実現を!
特に福島県が2015年6月に発表した「避難指示区域外避難者に対する住宅無償提、17年3月打ち切り」方針を撤回し、被害者への完全賠償が完了するか、新たな法的保障措置が発効するまでは無償提供を継続すること。「原発事故子ども・被災者支援法」に定める避難・帰還・居住の選択の自由を認め、「被曝を避けて生きる権利」を保障する施策を確立すること。
2.原発の稼働を直ちに停止し、省エネルギー政策の徹底と、地域分散型・再生可能エネルギー社会への転換へと踏み出すこと。
3.世界に例を見ない原発過酷事故を起こした当事国として、事故収束と廃炉技術の確立をこそ推進し、一切の原発輸出をやめること。