民意無視! 安倍政権下の「エネルギー基本計画(案)」に意見書を提出!
「エネルギー基本計画(案)」に対する意見書
2013年12月28日
東京・生活者ネットワーク
12月6日、総合エネルギー調査会基本政策分科会による「エネルギー基本計画」が提示され、委員による審議も経ないまま、そのままパブリックコメントにかけられています。明けて1月中には閣議決定する予定です。
3.11福島第一原発事故直後、民主党政権下では国のエネルギー需給のあり方を根本から見直すとして、「エネルギー基本計画」はいったん白紙に戻し、国民的議論のもとでつくり直すことが表明されました。策定の方向性を探るために、国民に対し、エネルギー・環境会議が提案した2030年時点で原発比率ゼロ、15%、20~25%という3つの選択肢が提示され、パブリックコメントが求められた結果、圧倒的多数の世論が脱原発依存(原発ゼロ)であることが明らかになりました。しかし、今回の見直しは国民参加型の議論もないまま、行われていることは大変問題です。政権が交代したとはいえ、原発ゼロの民意を安倍政権は尊重すべきことは論を待ちません。
基本計画(案)を見ると、冒頭に、かろうじて福島原発の反省が記されていますが、「今後も原発をベース電源として位置付ける」とあり、まるで、原発事故などなかったかのような内容となっています。原発ゼロの民意が反映されない計画では、とうてい承服できるものではありません。エネルギー需給の基本的な考え方として、安全性が大前提といいながら、いまだに事故の全貌も、収束に至る道筋も見えず、環境汚染の修復もままならず、被災した人々の生活再建も先延ばしになっている事態をどう考えているのでしょうか。さらに、福島第一原発事故と同じような大事故が起きるかもしれない危機感も欠除しています。安全性を大前提とするのであれば、原発の継続は選択外であり、「原発ゼロ」政策を示して後の基本計画であるべきです。
東京・生活者ネットワークは、安倍政権と経産省が示した「エネルギー基本計画」について、以下の意見を提出します。
1.原子力発電に依存しないエネルギー政策に基づいた計画を策定すること
・大幅な省エネを実践し、原発が動いていないにもかかわらず、電力不足に陥る事態にはいたっていない。再稼働は必要ない。
・今後事故の収束にかかる費用や賠償費用、廃炉費用などが増大する。また、仮に原発が再稼働するならば、再稼働のための安全対策にも莫大な費用がかかる。
・国際的な観点からの取り組みの方向として、原発事故を経験した国として、原子力の利用に警鐘を鳴らし、全世界的な原子力利用抑制をこそ提唱していくべきである。
・世界中には未だひとつとして存在しない、実用化の目途もたっていない高速増殖炉は廃止すべきである。したがって核燃料サイクル政策も即日、中止とすべきである。
1.再生可能エネルギーの開発・推進、省エネルギーおよびエネルギー利用の効率化をこそ、政策の柱に位置づけ、推進のための中長期的な計画を策定すること
・持続可能な経済成長のためのエネルギー需給計画を基本原則として、排出量削減と省エネをまず掲げる必要がある。
・再生可能エネルギーについては、もっとも推進すべき電源であることは論を待たないことから、導入された固定価格買取制度を活用して、推進を加速していくべきである。
以上