地域から、市民が平和のイニシアティブをとる―多極化する世界に逆行する、安倍政権の米国追従、安全保障問題への取り組み
地域から、市民が平和のイニシアティブをとる―多極化する世界に逆行する、安倍政権の米国追従、安全保障問題への取り組み
2013年11月3日。葛飾区議選が告示されました。この日は、言うまでもなく1946年、平和と文化を重視した日本国憲法が公布されたことを記念し、国民の祝日に定められた日(1948年公布・制定の祝日法による)。しかし11月3日は、戦前は「明治節」という祝日、明治天皇の誕生日であったことを、私たちはいま改めて認識しておくべきではないでしょうか。
時を経て、今年7月の参院選を制した安倍政権による安全保障問題への取り組みが本格化しています。日本版NSC(国家安全保障会議)設置法案と特定秘密保護法案が審議入りし、年末には新たな防衛大綱も方針化される状況の下、集団的自衛権行使に関する解釈改憲・立法改憲へと進めるべく安倍首相はきわめて強気の政治姿勢を示しています。米国に依拠することこそが日本の国益とする安倍政権の政治の貧困は、「日本を取り戻す」「積極的平和主義」という標語や、3.11を経てなお見直されることのない原子力政策、国の主権をも揺るがすTPP参入への積極姿勢などに表れており、多極化に向かう世界の中で、むしろ滑稽、誤った選択であることは自明です。
言うまでもなく、憲法問題は国民的議論にし、私たち市民一人ひとりが考えていかなくてはならない問題です。安保体制を強化するなどというのであれば、そもそも日米安保条約、なかでも日米地位協定に係る議論無くして改正論議はできません。
米国の一強体制が終わりを告げようとしています。これからは軍備によって危うい平和を保つのではなく、国と国、地域と地域、人と人による外交努力、対話と協力関係によって世界の恒久平和をつくっていく世紀となるでしょう。地域紛争やテロ、海賊、麻薬、あるいは一部の富める国が貧しい国の資源を収奪することによって引き起こされる貧困問題、環境問題、食糧危機などに対して、国や地域、NGOや市民があきらめず、粘り強く個別の問題解決に向けて力を重ねる、そうした
しくみをつくっていくことこそが重要です。