深刻さを増す豊洲土壌汚染問題 都は「移転ありき」を改めよ
2012年都議会第4回定例会討論から
―東京都中央卸売市場会計決算について
経済が低迷する中での消費の落ち込み、市場外流通の増加や魚離れなど、生鮮食料品の流通環境は大きく変化しています。加えて、少子高齢化や人口減少によって、卸売市場の役割の変化にも目をむける必要があります。
豊洲新市場の整備にあたっては、新しい計画も示され、移転にむけて動き出していますが、事業者の合意はいまだ十分ではありません。
東京・生活者ネットワークは、これまでも市場移転については、都民や市場関係者などの理解と納得を得ることが不可欠であると主張してきました。特に、土壌汚染対策については、調査のたびに高濃度の汚染が見つかっており、都民の不安と不信を助長する事態となっています。都は現在、不透水層のベンゼン汚染の対策工事を行ってはいますが、いったい対策工事の規模と費用はどこまで膨らむのか、全体像を示すことさえできないでいます。
市場には、「食の安全・安心」が強く求められることは言うまでもありません。さらに、市場の適正規模や文化・観光資源といった観点からも、銀座まで10分という立地条件にある、歴史ある築地市場の再整備をこそ強く望むものです。