政務調査費が『政務活動費』に 議員連絡会より
今回は「政務活動費」の問題について話し合いが行われました。
9月5日公布の地方自治法の一部改正に、政務調査費を「政務活動費」と名称を改め、交付目的を「議員の調査研究その他の活動に資するもの」として、政務活動費をあてることができる経費の範囲を条例で定めることが盛り込まれました。かって、政務調査費は「第2の報酬」と言われ、2000年の自治法改正により2001年以降各自治体で条例化されてきた経緯があります。領収書の添付、情報公開が行われた結果、市民オンブズの住民監査請求による指摘や裁判などがあり、その使途が精査されてきました。しかし、今回の改正は使途基準を条例に位置付けることで、「活動費」と言う名の下、これまで認められていなかったものまで認めるようになる恐れがあります。議員連絡会では法律制定に至る経緯の問題や各自治体での条例改正に向けた取り組み状況を共有。政務調査費の使途基準を緩めない方向で議論されている自治体がある一方、「裁量権が広がる」とほくそ笑んでいる議員もいるという話もありました。議会内で十分な議論を行うこと、第三者機関の設置など条例制定に向けて市民への説明責任を果たす必要性を確認し、論点整理を行いました。
都議会議員の山内れい子さんからは「いじめ問題への取り組み」、世田谷区議会議員照屋里美さんからは「学校などにおける省エネルギー対策」、東村山市議会議員大塚恵美子さんからは「障がい者就労、雇用の可能性」について報告され、さまざまな観点からの活発な意見交換が行われました。
いじめ問題への対応では先生が子どもと向き合う時間を確保し、養護教諭、スクールかうセラー等と日常的に連携しながら、いじめられる子どもはもちろん、いじめる側の子どもにも寄り添った対策が必要との視点を再確認。スクールソーシャルワーカーの育成、養成の必要性や自治体の負担軽減の要望などが出されました。
学校における省エネルギー対策としては、光熱費の削減にもなる高効率蛍光灯替えをリースで行うことやデマンド・コントロールシステム*などの先進事例、環境プログラム「フィフティフィフティ」について具体的な情報交換がおこなわれました。(*デマンドコントロールとは、空調設備などの電力負荷をコントロールしてデマンド(需要電力)を一定値以下に抑えること)。
大阪府は、府政のあらゆる分野において、福祉の視点から総点検し、障がい者やシングルマザーなどの雇用、就労機会を創出し「自立を支援する取組」を全庁的に進めてきており、この夏にはネット議員の視察が行われました。自治体でいかに中間的就労機会を創出するか、来年4月から施行される「障害者優先調達推進法」の施行をどのように実体化するかが問われています。地域に雇用を創出するために、東京都が23年度までにすべての市区に設置をめざしている「地域開発促進コーディネーター」(現在は26市中11市)を充実させることが必要との意見も出されました。
以上、意見交換の課題から、次の活動に向けての取り組みを検討していきます。