原発ゼロ・デー5月5日を、原子力の時代を終わらせるスタートの日に

5月5日子どもの日に、北海道電力泊原子力発電所3 号機が定期点検に入り、日本中のすべての原子力発電所が42年ぶりに停止。国内で原発が一つも動いていない「原発ゼロ」の日がスタートしました。

「原発の電気なしで暮らしたい」——この日が実現したのは、事故の真相究明も途上にある中で、安全性が確保されないまま、政府・電力会社が一体となって強引に進めてきた再稼働の手続きに、多くの市民や自治体、地方議会などが「NO!」を突きつけ、政府の暴走に歯止めをかけた結果です。

福島第一原発の核惨事から1年と2カ月。東京電力福島第一原子力発電所の原子炉・格納容器の破壊がいったい地震によるのか、津波によるのか、人為的ミスはどのように作用したのか——未だ、何一つ確定されず、また、放射能汚染の現状についても全体像が明らかにされていないどころか、今日なお、4号機使用済み核燃料プールは破損の危機にさらされています。このような状況で原発の運転を再開するということは、犯罪的な行為であり、容認できるものではありません。

稼働中の原発がゼロになり、再稼動をめぐる攻防はいよいよ佳境に入っています。そもそも、3・11原発過酷事故が起きるまでは、原発がなければ電力の約3 割が足りないとする容認論はその根拠を失い、「原発の電力なし」で日本社会は充分維持できることが明白になっています。にもかかわらず、大飯原子力発電所を抱える関西電力と経済産業省、野田政権のトライアングルは、夏の電力供給不足を理由に、停電の恐れをあおっています。しかし、その根拠について、多くの研究者らが客観性に乏しく、電力不足ゆえの再稼動というより再稼動したいがゆえの電力不足であり、恫喝にも等しいと看破。真夏のピーク時の電力不足を補うことは、「揚水発電の緊急電力」「他の電力会社からの融通」「電力需給調整契約」「自家発電などの余剰電力」などで、いくらでも可能であると明示しています。

福島第一原発事故は未だ収束せず、放射能汚染は広範囲に広がり、多くの人々が被曝の恐怖にさらされ、生活再建の道を断たれ、苦しみ、もがくような日々をおくっています。いま急がなければならないのは、被災地の漁業者・農業者など第一次産業従事者への損害賠償を含む、原発事故のすべての被害者の救済であり、そのための法整備です。

再稼働NO! 脱原発・エネルギー政策の抜本的転換を
東京・生活者ネットワークは、市民が自治するまち・東京をめざして35年前に発足しました。その発足当初から、市民の自治の力を封じ込める原子力発電に反対を表明し、「これ以上1基もつくらせない 今ある原発は段階的に廃炉にする」と訴えてきました。

私たちは、2012年5月5日子どもの日に、日本中の原子力発電所がすべて停止したことを、「原子力の時代を終わらせるスタートの日」ととらえます。原発の再稼働をとめて「原発ゼロの夏」を実現し、そして一日も早い脱原発政策の決定とエネルギー政策の抜本的転換、原発立地地域の雇用創出などを実体化しなくてはなりません。人にも環境にもやさしいエネルギー創出を地域の市民力で展望し、次世代へ引き継ぐために——何よりエネルギー依存から、エネルギー多消費地・東京こそが脱却し「低エネルギー社会」を実現しなければならないと、東京・生活者ネットワークは考えます。

東京・生活者ネットワーク

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