韓国の農家の住民自治②

鎮安(チナン)の風景
鎮安(チナン)の風景
昨年、日本で開催した日韓市民社会フォーラムで、鎭安郡の取り組みが紹介され、ぜひ行ってみたいと思い参加しました。

過疎がすすみ、少子化,高齢化のすすむ農村をいかに活性化するかは、日本も韓国も共通の課題ですが、チナンでは面(地区の集合体)ごとに地域の特性を活かし住民自治組織が中心になって解決に向けてむらづくりをすすめています。こうした韓日共通の課題を解決するための市民同士の協議、協力によって共同体づくりをめざそうというのがこのフォーラムの目的です。

私が訪れたジュンキル地区は、環境にやさしい親環境農業の認証を受け、もち米、もち黒米、コメ、サンチュほか多品目の野菜を生産しています。有機農産物のニーズは日本以上に高い韓国でどう消費者と繋がるか模索中でした。産直の他、伝統、文化体験のできるエコツーリズムでの観光客誘致、IターンUターンの新たな農業従事者の誘致、支援を行っていました。村の職員でもここに住まずに隣の全州市から通勤している人が多いことからも日本以上に都市に人口が集中している韓国では、さらに都市部との乖離は大きな課題と感じました。

 宿泊したジョンキル里訪問者センターでのオンドル体験や、郷土料理。韓国の伝統的な黄土でつくられた住居、発酵食品用の陶器づくり、全州市の街並み保存の活動、ソウルの環境保全の中間支援NGO見学など貴重な体験もできました。

広葉樹の山の景色は 私には珍しく写ったのですが、戦争で荒れ果てた山を市民の力で植樹した結果とのこと。韓国の草の根運動の原点はここにあると感じました。
東京・生活者ネットワーク運営委員
指田みゆき

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