監視し、隔離する青少年治安対策にNO!
子どもの成長・発達の権利を保障するサポートをこそ
8月1日、青少年・治安対策本部が設置されました。これまで青少年健全育成として生活文化局が所管していた事業を、「青少年育成及び治安対策に係る事業を一体的、総合的に推進する」ため、知事本部局が掌握する「東京都組織条例の一部改正」提案が、賛成多数で可決されたものです。
東京都は、ここ2年にわたり「青少年健全育成条例」の改正を行っており、2004年に成人向け図書や性風俗業等への規制強化を、05年にはインターネット事業者や保護者に対する努力義務や淫行処罰規定などを盛り込んできました。いずれも、おとな側への規制強化であるとはいうものの、子どもの成長の一時期である青少年自身に対し治安対策をすすめる意図が強く働く改正であることは否めません。
子ども、青少年は次世代を担うまちづくりのパートナーです。その主体である一人ひとりの「子どもの権利」実現を主眼に、子ども自身の育つ力を応援する取り組みこそが、早急に求められています。たとえば、メディアリテラシーやリプロダクティブ・ヘルス/ライツにもとづく性教育、実践的な職業教育など、子ども、青少年の自立をサポートする課題にこそ、横断的に真摯に取り組み実践するべきです。
監視し、隔離するという考え方では、「子どもの成長・発達の権利」までも排除されかねません。生活者ネットワークは、治安対策を優先し、保護、管理に走ることは、青少年の本質的な育成にはなり得ないことから、本提案に断固反対しました。