急がれる、ひとり親家庭の支援充実
離婚や未婚の母の増加で、都内のひとり親家庭は年々増加し、母子家庭11万8100世帯、父子家庭2万700世帯と推計(2004年)されています。特に母子家庭においては、年間収入が200万円以下と200〜400万円がともに35%と厳しい状況にあります。
国は2003年,「母子及び寡婦福祉法」を改正。ひとり親家庭に対する支援についてきめ細かな福祉サービスが行えるようにとし、自立支援に重点がおかれました。しかし、その一方で、この4月からは児童扶養手当の一部支給停止が予定されているなど、むしろ状況は悪化しており、ますますていねいな就業や自立への支援が求められています。これまでも様々な就業支援施策が実施されてきましたが、補助制度が実態にあっておらず、実際には十分活用されているとは言いがたい状況です。
東京都は福祉の補助金を地域自治体が主体的に使うことができるよう「包括補助制度」に改めてきていますが、今年度から、ひとり親家庭支援も区市町村包括補助事業に位置づけることになりました。これにより、▲区市町村が独自の創意工夫により、他の自治体にもモデルとなるような先駆的事業を実施する場合は、都が全額補助を行うしくみを創設、▲これまで区市町村が実施していた事業のうち、実績の少ない事業については見直しを行うとともに、母子緊急一時保護事業などは、実施開始時期に関わらず補助対象とする−−とした規制緩和を行いました。
ひとり親家庭のおよそ9割は母子家庭です。その現状をしっかりと捉え、『親の支援から子どもの支援』『子育て支援』『DV被害者の緊急一時保護から就業支援』にいたるまで、幅広い支援が求められています。生活者ネットワークは、現状をよく知る区市町村が独自の支援策を積極的に展開できるよう、都の支援策の充実を求めています。