市民が市民を救う社会へ

多重債務者支援に東京都がセーフティネット貸付を開始!

 格差社会はワーキングプアやネットカフェ難民、 就学費未払いの増加、 多重債務、 高齢者における医療格差などに顕著に現れている。いずれも都市部において顕著に見られることから東京問題の一つであり、 解決すべき重要課題であるといえる。

 このような格差は小泉構造改革や新自由主義が原因であり、東京都も含めセーフティネットを考えない改革がもたらした結果にほかならない。社会問題化した多重債務問題。 当時者が自殺に追い込まれたり、 いきなり生活保護を受けるしかない実態に、 別のセーフティネットが必要であると、 生活者ネットワークは多重債務者への生活資金の貸付制度の創設を提案してきた。

 この間、 金融庁も「多重債務者支援プログラム」をつくり、 セーフティネット貸付を自治体の役割として実施するよう提起。 この両者を受け、 都は08年3月26日から「東京都多重債務者生活再生事業*」 を開始。 「有限責任中間法人生活サポート基金」が相談を受託し、 利用者にとって有効な施策となるよう事業を進めている。

 多重債務に陥るのはギャンブルや遊興費に使った結果だという自己責任論がまことしやかに語られるが、 その内実は、突然のリストラや倒産、 病気・介護などであり、社会経済の急激な変化が弱者へとしわ寄せされる社会状況こそ問題視されなければならない。
 
 誰にでも起こりうる問題であるといえる一方で、 貸金業の縮小や金融庁による総量規制はよい面もありながら、 同時に真に必要な人がお金を借りられない状況を生み出している。 そこにこそ、 今回の都のセーフティネット貸付の意義がある。

*東京都多重債務者生活再生事業によるセーフティネット貸付では、 ▼有限責任中間法人[生活サポート基金]に電話、 面談日予約▼相談▼条件が整えば債務整理後の生活資金を貸し出す——ことになる。 都制度が使えない場合も解決の方法はあることからサポート基金では 「まずは相談を」 と呼びかけている。

TEL 03-5565-1190 URL http://www.ss-k.jp

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