子ども目線で、安全基準の拡大を進める
子どもを取り巻く化学物質の危険性に着目し、 「成長期の子どもの旺盛な吸収力を考えると、 子ども独自の安全基準が必要である」 として、 化学物質子どもガイドラインを作るよう要望してきました。 生活者ネットワークの提案が実り、 東京都環境局では塗料に含まれる鉛編(02年7月)、 殺虫剤樹木散布編(04年3月)を、 福祉保健局では室内空気編(03年3月)と食事編(04年6月)を策定し、 子どもを取り巻く化学物質の削減を呼びかけてきました。 その結果、 子どもが生活したり出入りする施設では、 鉛を使った塗料が排除され、 学校や公園での殺虫剤散布が自粛されるようになるなど大きな成果を上げ、 国からも注目されています。
中国製の子ども用アクセサリーから鉛が検出され、 シュレッダーで指を切ったり、 サンダルで爪をはがしたりと子どもが犠牲となる事故が頻発しています。 子どもたちが日常的に使う商品には注意喚起が欠かせません。 生活文化局消費生活部の商品等の安全問題に関する協議会では、 05年度は金属製玩具やアクセサリーに含まれる重金属類の問題を提起し、 06年度は子ども用化粧品・染毛剤の危険性を指摘しています。 子ども服も、 最近はデザイン優先の余り、 ひもやファスナーが首に絡まるなど、 思いがけない事故にあう例が少なくないことが調査で明らかになりました。
東京都は、 国や業界団体などに子どもの衣類の安全基準を策定するよう提言。 保育園・幼稚園などを通じて保護者への注意を喚起するためのリーフレットを配布しました。 関連業界はさっそく安全基準づくりを検討していますが、 商品を選ぶ保護者の意識改革は最も重要です。 不用意に使われる化学物質を減らし、 デザインや嗜好性重視の子ども用品を選択しないための情報公開が必要です。 これからも生活者ネットワークはすべてのものに対象を広げ、 子どもの目線に立った安全基準の拡大を進めます。