「どうする年金!」開催
緊急シンポジウム
●財源や保険料、女性の年金問題など、将来への不安はどうなる?
→樋口恵子さん、袖井孝子さん、大沢真里さんたちの呼びかけに、NPOしんぐるまざあず・ふぉーらむ、シニア社会学会、フォーラム・女性と労働21、連合、東京・生活者ネットワークが参加。高齢社会をよくする女性の会、子育て環境研究所、社団法人コミュニティネットワーク協会、“みんなで子育て”をめざすネットワークの協賛で、「どうする年金! 緊急集会シンポジウム」が開催された。
いよいよ国会で、年金制度改革への動きが本格化します。財源問題をはじめ、保険料負担や給付水準、女性と年金問題など、解決すべき問題は山積しています。
こうした状況下、10月21日「どうする年金! 緊急シンポジウム」が開催されました。主催は、袖井孝子さん(お茶の水女子大学教授)を実行委員長に、東京・生活者ネットワークも参加した“どうする年金!実行委員会”。解散総選挙を控えた時期の急な催しにもかかわらず、300人を上回る市民・関係者が集結し、各方面の関心の高さを示しました。
シンポジウムの第1部では、「社会保障審議会年金部会報告」を、当該委員を担った大沢真理さん(東京大学教授)が、続いて「年金制度改革の経過と今後」について厚生労働省年金局より報告がありました。
第2部、−討論「どうする年金!」−では、樋口恵子さん(高齢社会をよくする女性の会)をコーディネーターに、大沢真理さん(年金部会委員・東京大学教授)、袖井孝子さん(お茶の水女子大学教授)の両パネリストのほか、公明、民主、社民、共産の各党の国会議員が参加。最初に、実行委員を代表して、「連合・生活福祉局」「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」「東京・生活者ネットワーク」が、指名討論の場に立ちました。
生活者ネットは、「04年度の年金改正を間近に、厚生労働省案や坂口厚労大臣試案などが出揃っているにもかかわらず、依然行方が見定められない。持続可能な年金制度はどうあるべきで、どのように変えていくか」の課題を明らかにし、市民の立場から、「多様な働き方への対応、特に短時間雇用労働者への年金適用拡大や、3号被保険者問題、遺族年金、離婚時の分割など、社会的弱者になりがちな女性の立場から訴えてきた個人単位化の実現を。年金財政をわかりやすく公開し、公的年金の一元化試算を今回の年金制度改革の中に盛り込むべき」などについて、問題提起しました。
年金問題における各党の改革案を明らかにし、会場発言を含め、さまざまな立場から「私たちが求める年金」を発信し、市民・研究者・関係部局・議員が一同に会して議論を深める集会となりました。今後も引き続き、年金問題をはじめ、社会保障全体を根本から見直す論議が必要です。
写真下左:民主党からは、厚生労働委員で社会政策・社会福祉論に詳しい石毛えい子さんが登場。サラリーマンと自営業者などで、別建てになっている保険料の一本化を提案。税財源で全面的にカバーする「国民基礎年金」をベースに、「所得比例年金」の創設で、制度を抜本的に再構築すると発言した。
写真下右:会場は大盛況 関心の高さが伺えます。