STOP!遺伝子組み換えイネ
請願署名活動始まる
遺伝子組み換え作物は世界の多くの消費者の反対にもかかわらず、生産が拡大され、01年度の作付け面積は、日本の全面積の3倍にまで広がっています。02年度のアメリカ産大豆の75%以上、トウモロコシの30%以上が遺伝子組み換え作物です。アグリビジネスの最終的なターゲットは世界の主食、小麦、米。そして、いよいよ日本の米が遺伝子組み換えの危機にさらされています。
「遺伝子組み換え」の問題点
遺伝子組み換え作物は農業の省力化とコストダウンが可能で、「世界の飢えを救う」と宣伝されてきました。しかし組み換え作物で利益を得るのは、種子と農業のセット販売で莫大な利益を得る他国籍企業です。また、栽培が進むにつれて、収量が在来種に比べて増えず、農薬の使用料が増えているなどの実態や、除草剤の効かないスーパー雑草の登場、花粉の飛散による在来種への汚染も問題になっています。
害虫殺虫性の遺伝子を組み込んだスターリンクコーンは、家畜飼料にのみ認可されていたものですが、00年9月、流通段階での混入が原因でタコスの皮から発見され、分別流通への不振が一気に広がりました。スターリンク混入事件では、その後の追跡調査で、人間に対してアレルギーを引き起こすとは当初予定されていなかった未確定因子によるアレルギー反応が、特異体質の人に現れていることが判明しました。安全性審査の危うさを示すこの情報は、海外では各国政府が積極的に公表しているものですが、日本では消費者には知らされていません。
この事件は、遺伝子組み換え食品の事前安全評価体制の再検討を迫るものです。国はようやく03年「食品安全基本法」を制定する方針を示しましたが、消費者保護・予防原則を基本に、国民の健康を第一義とする姿勢に欠けています。このことを変えない限り、安全な食を確保することはできません。消費者に対して迅速かつ的確に食品の安全性に関する情報を提供できる体制作りこそ急務です。
とめよう!除草剤耐性イネの商品化
こうしたなか、すでに40種類もの遺伝子組み換えイネが国内で試験栽培され、「商品化」が間近に迫っています。モンサント社と日本モンサント、愛知県農業総合試験場が共同開発していた、愛知県の特産米「祭り晴れ」を使った直播栽培用除草剤が耐性イネの研究がすすみ、国内流通にむけて厚生労働省に安全審査の申請が予定されています。万一、認可されると、その交配種は申請の必要がなく、遺伝子組み換えイネの作付けが広がることになります。
今年8月、食の安全性を無視し、国内外の農業を崩壊させ、地球環境に悪影響を及ぼしかねない「遺伝子組み換えイネの開発・栽培・輸出入に反対」する32万7000人余りの署名が愛知県に提出され、現在各自治体でも、署名活動がすすめられています。
「遺伝子組み換えイネは食べたくない」という消費者の声を届け、商品化をストップさせなけれなりません。
各地で行われた請願例
「遺伝子組み換えイネ」を学校給食に使用しないこと、並びに、その承認と表示に関して国への意見提出を求める請願(陳情)
請願(陳情)趣旨
遺伝子組み換え食品は、その表示義務の対象がごく一部に限られているため、消費者が十分に選択できないまま流通しており、米国での「スターリング(アレルギーの危険性のある殺虫性コーン)」混入食品のリコール事件や、国内未承認ポテトのスナック菓子への相次ぐ混入事件等で、国民の不安はますます高まっています。
こうしたなか、遺伝子組み換えイネの開発が進められており、その実験栽培が国内において既に始まっています。
もし、食品や飼料としてこれが承認され、流通が開始されれば、国民の不安はさらに高まることが懸念されます。
私たちは、子ども達の健康を守るため、管内の学校給食で遺伝子組み換えの米を使用しないように求めます。そして、その実現のためにも、遺伝子組み換えイネを承認しないよう、並びに、基本的に全ての遺伝子組み換え食品について表示を義務化するよう、国に意見書を提出することを求めます。
アジアに暮らす私たちの主食であり、日本の農業の要としてその環境と文化を育んできた大切な作物であるイネを守るため、以下の通り請願(陳情)します。
請願(陳情)項目
1. 子ども達の健康を守るため、管内の学校給食で遺伝子組み換えの米を使用しないこと。
2. 食の安全、農業、環境そして文化を守るため、遺伝子組み換えイネを承認しないよう、国に意見書を提出すること。
3. 消費者の選択する権利を保証するため、基本的に全ての遺伝子組み換え食品について表示を義務化するよう、国に意見書を提出すること。