市民参加でつくろう(仮称)品川中央公園
品川・生活者ネットワーク
三菱マテリアル工場跡地の有効利用が注目されていた中、品川区の中心に位置し面積2万平方メートルの広さを持つ公園計画に、市民の期待が集まっています。区内には、しおかぜ公園や林試の森公園など都立公園や区立戸越公園がありますが、大井町周辺には、憩える公園がありませんでした。品川区は、区庁舎と防災センターの前という立地条件から、目的を防災拠点・運動広場とし、緑被率30%、建物2%を基本に(仮称)品川中央公園計画を示しました。
公園に市民の声を生かしたいと考えた生活者ネットワーク環境部会は、ひろく市民に呼びかけました。そこで10代から70代までの幅広い市民が集まり、「みんなの公園をともにつくろう会」が立ち上がりました。
会ではさっそく活動を開始し、公園の予定地付近を中心に「どんな公園を望むか」を聞くアンケート調査や、公園予定地の見学を実施しました。そこには、大きく育ったサクラ、クスノキ、マテバシイ、ハクウンボクなど数種類の木があり、どれも貴重なものでした。現在ある木を残して欲しいと区に要望書を提出し働きかけたところ「サクラ、クスノキ等は、現状のまま残し、他の木は、計画地内での移植や他の公園に利用する」との回答を得ることができました。その後も会では、疑問や市民からの要望をもって意見交換したり、地域懇談会の開催を働きかけたりしながら行政との関わりを持ってきました。
市民が公園運営にも関わりたいと、プレーリーダーとボランティアが子ども支援している世田谷区の「羽根木公園プレーパーク」や、計画から市民が参画している狛江市の「前原公園」などを見学。また「子どもにとって安全な公園とは」をテーマに公開学習会を開くなど活動を重ねるなかで、会への参加者の幅も広がってきました。
議会質問では、(仮称)品川中央公園計画に区民からの案を募集することを提案し、反映することができました。
会では、傾斜の地形を生かした水の流れをつくる提案や、散歩道、木を残した自然の公園のイメージを伝えるために文書や絵を描いて表し、団体案や個人案として区に提出しました。先に、区の最終計画案が示され、樹木の一部保存やせせらぎの確保、浸透性のタイルが土に変更されるなど、公園計画に市民の要望が生かされることになりました。
今までは、近隣の人に要望や意見の募集をしたり、説明会は開かれても区民全体に市民案公募した公園はありませんでした。今回、広い市民公募が実現し、また、審議会委員も公募されるなど、市民参画の機会が得られるようになってきました。今後は、公園の管理運営にも市民が関われるように、いっしょにすすめていきます。