63年前の今日 東京大空襲
1945年3月10日午前零時過ぎからわずか2時間半の間に10万余の市民が亡くなった。
私の母は日本橋浜町生まれで、この大空襲で家族全員を亡くしている。30年以上も前になるが、就職活動の際に母方の戸籍謄本が必要となり、蛎殻町にあった支所に行き戸籍を見て驚いた記憶がある。当時18歳だった母が家族6人の死亡届を出しており、遺体がそれぞれ何丁目何番地にあったことなど確認したことが記載されていた。
私は、この空襲の話を詳しく聞いたことはない。母の記憶が確かなうちに聞いておかねばと思っているのだが、正直しんどい。
戦争による民間人の犠牲や損害は、等しく「国民として受忍しなくてはならない (最高裁判例)」 らしい。
江東区北砂にある「東京大空襲・戦災資料センター」は、篤志家からの土地の無償提供と民間募金で運営されている。修学旅行生も訪ねてくるらしく、いのちと平和のバトンをつないでいる。
戦った人が手厚く奉られているどこかの神社より、現実の戦争とは何をもたらすかを学ぶことができる。戦争を風化させない責任は私にもある。体験を聞き取るという宿題が課されている。
事務局長・中村映子