牛海綿状脳症への国の対応を聞く
国政サロン開催
牛海綿脳症(BSE)についてのQ&A
Q1,発生原因と感染ルートの状況、解明に向け今後の課題を伺います。
A1,(農林水産省)
EUによる汚染肉骨粉とされているものが、輸入された可能性について調査している。医薬品などの可能性も追求する。
Q2,特定危険部位を含むおそれある加工食品の自主点検の結果について公表されたが、この状況と今後の対応について伺います。
A2,(厚生労働省)
事業者自主点検について、インターネットで公表。再度の調査をも公表していく。
Q3,EUのリスク通達に従わず調査しなかった理由について、伺います。
A3,(農林水産省)
EUと日本との汚染肉骨粉の統計の違い。EUのリスクにおける国際的評価と見解が違った。
Q4,と畜場法施行の一部改正においては、焼却が義務づけられた頭部について、施行後1年間は脳及び眼だけとなっているが、その後はどのような対応になるのかについて伺います。
A4,(厚生労働省)
頭部は焼却対象(舌と頬肉は対象外)となっている。しかし、頭全体の重さが約13Kgもあり、焼却能力等施設整備に課題があることから、特定危険部位である脳と眼で約500gであり、優先した焼却対象とした。今後は、火の回りを高めるため頭部を破壊するなどして、焼却可能な状況整備をすすめ、来年10月からは、頬肉と舌以外は全部焼却する。
Q5,斃死した牛、危険部位、肉骨粉の焼却が必要となっているが、今後の処分計画について伺います。また、現状では、一般廃棄物扱いとされているが、今後はどのような扱いとなるのか伺います。
A5,(厚生労働省・農林水産省)
環境省発で10月27日に、厚生労働省・農林水産省・環境省で協議し、産業廃棄物としている。不可食部分は一般廃棄物として市町村で焼却していたが、焼却対象量の増加のため産業廃棄物もしくは、事業ごみとする。
Q6,背割り解体における異常プリオンの附着から危険を回避するための方策について伺います。
A6,(厚生労働省)
プリオンは、脊髄液の中にはない。大阪の松原方式(圧搾空気を送る)や外国での吸引式の導入については、BSE問題に関する調査検討委員会で決める。
Q7,市場においての全頭検査が義務づけられましたが、検査態勢を強化するための財政支援はどのようになっているのでしょうか。
A7,(厚生労働省)
検査キットの都道府県への配付は、来年の3月までは、100%国負担。今後は、市場の手数料としていく。安全性に都道府県格差があってはならなと考えている。4月以降も前頭検査できるよう措置を検討している。
Q8,トレーサビリティーについては、生産から小売りまでを可能にすべきと考えます。また、生産情報として、消費者の選択を可能にするためにパックされた肉に生産地や飼料を明記すべきであると考えますが、いかがでしょうか。
A8,(農林水産省)
平成14年度より、全ての牛に生涯一つの個体識別番号(と場に入る前10桁の№、後に4桁の№を牛の耳に耳符を付加)を付与し、この番号に基づき個体の移動歴などを把握する「家畜個体識別システム」の導入する。情報提供は、インターネットでアクセスできるようにする。フランスでは抗生物質残留基準値も牧場までさかのぼれる責任の明確化を実施している。生産地、食料の明記はしていない。
Q9,飼料安全法省令改正により、肉骨粉に鶏肥飼料使用が可能になりました。羊にもあったようなスクレイピーの問題もあり、今後このような問題は発生しないと考えているのか、見解を伺います。
A9,(農林水産省)
世界的には、15年前から狂牛病はから存在しているが、鶏・豚には発症例がない。化学的に問題がなければ解除していく。共食いによる新しい病気の発生は知られていない。
Q10,狂牛病対策では、縦割り行政の弊害が明らかになったが、これ以降の体制づくりはどのようになっているのか、連携だけではない体制づくりが必要であると考えますがいかがでしょうか。
A10,(農林水産省)(厚生労働省)
振興分野と規制分野が同一行政では難しい。「BSEに関する調査検討委員会」(学識経験者・消費者代表等で構成)が11月19日からスタート。食品に関しては、1本化することが望ましいと考える。オーストラリア、ニュージーランドでは、食品安全の観点から一元化している。他国事例を参考にしながら検討していく。