子どもの権利条例東京市民フォーラム3周年記念集会

子ども救済を語ろう!

「子どもの権利条例東京市民フォーラム」は、「子どもと市民による子どもの権利条例づくり」を目標として2000年10月に設立され、条例に関する情報を共有しながら市民と議会および行政などとの交流をはかる市民団体として活動している。9月23日、設立3周年記念集会「子ども救済を語ろう!」が千駄ヶ谷区民会館で開かれ、150人を超える参加があった。

 国連・子どもの権利条約の日本批准10年目を迎えたが、「子どもも人格をもち、権利を有する存在である」という意識が、おとなの中にも子どもの中にもなかなか確立されずにいる。「権利」を知らないまま、権利を主張することはもちろん、権利を侵害されていることにも気づかないでいる子どもたちは少なくない。
 管理・競争社会の中で、正当な権利を主張する場を与えられず、社会に対する参加意欲を失い無気力状態にあったり、鬱屈した思いを反社会的な形で暴発させざるを得ない状況にまで追い込まれてしまった子どもたちもいる。
 相次いで問題になっている少年犯罪の加害者も、実は権利を奪われ、権利を侵害されてきた子どもであることが多い。子どもに権利を与えない社会によって、子どもたちは成長発達を阻害され、将来にむけた可能性までをも踏みにじられている。
 「このような権利侵害の多くは、身近な人間関係の中にある。そして、身近ゆえになかなか子ども自身からのSOS発信ができないでいる」と、コーディネーターの喜多明人さんは指摘する。
 尊重され、守られるべき権利が、今の社会では認識されにくいのが現状であり、対応のための救済制度を、早急に整備することが必要とされる。
 権利が認められ尊重されるという経験を通して、子どもたちは自らの「権利意識」を獲得していく。そして、自分に「権利」があると同様に相手にも「権利」があることを認識するのである。「権利」に対する反発も憂慮されるが、権利を保障された社会こそが、子どもの救済につながっていくことを実感した第1セッション・全体会であった。
 続く第2セッション第1分科会では、森田明美さん(フォーラム事務局長、東洋大学教授)がコーディネーターとなり、今後それぞれの地方自治体で策定が予定される次世代育成支援地域行動計画に「子どもの権利」「子ども参加」をいかに実現するかを、千葉県八千代市の「子どもプラン」を事例に討論。第2分科会では、「子どもオンブズパーソン条例市民案」をテーマに話し合いがもたれた。

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生活者通信№147より
詳しい内容は生活者通信でご覧いただけます

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