「地域行動計画策定状況」自治体調査

2003年7月に制定された「次世代育成支援対策推進法」に基づき、すべての地方自治体と従業員300人を超える事業主は、今年度中に行動計画(計画対象は0歳〜18歳)策定を義務づけられています。
生活者ネットワークがある都内33自治体で策定状況の調査を行いました。
以下は、調査を通して見えてきた評価と課題です。

庁内体制について
教育委員会が関わっていない自治体があり疑問。若者、子育て世代が力をつけていくための支援策は急がれており、縦割りでない全庁的な取組が必要です。

策定への市民参加
ほぼ半数の自治体が、計画策定への市民参加を実現、またはめざしており評価できます。
これからの次世代育成支援策は、多様な市民に対応できるものにしていくことが必要で、市民自らが議論に参加し結論を導く場が重要です。行政は、次世代育成のために地域の市民力を引き出し、NPOや市民団体を積極的に育成、支援し、協働していくことが必要です。また、行政と民の分担と協働は、自治体の財政問題を解決する鍵ともなります。

策定への子ども参加
計画策定のための子ども委員会や、意見交換の場の設定など、当事者である子ども参加を実現している自治体は複数あります。またニーズ調査については、大多数の自治体が子ども自身に調査をしており、対象年齢やサンプル数などに課題もありますが、おおむね評価できます。
策定の際に実現できた子ども参加や意見表明を一過性なものにおわらせず、子どもの権利として確立するために「子どもの権利条例」の制定、権利侵害を救済する「子どもオンブズパーソン」設置を実現していくことが必要です。これらは、国連「子どもの権利条約」締結国としての責務でもあります。自治体から子どもの権利を実現し、年齢に応じたひとり一人の育つ力を支援していく行動計画であることが重要です。

生活者通信№151より
詳しい内容は生活者通信でご覧いただけます。

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