介護予防の実態は?
2年目の調査スタート
介護保険制度は、昨年(06年)4月に大きく変わりました。改正ポイントの1つは「予防重視型システムへの転換」、介護度の軽い人を対象にした新たな「介護予防給付」と、要支援・要介護になる可能性の高い特定高齢者を対象にした地域支援事業の「介護予防事業」という2つのタイプの介護予防の仕組みができたことです。住み慣れた地域で自立して暮らすために、「介護予防」は必要な考え方ですが、財政的な問題を背景にした今回の改正には不安の声も多く、生活者ネットワークも様々な視点で課題を指摘してきた経緯があります。
この制度改正で、在宅の高齢者の生活やサービス利用がどのように変化するのか検証するため、東京・生活クラブ運動グループ福祉協議会とNPO法人市民シンクタンクひと・まち社は、3年間の継続調査として「介護予防に関する実態調査」を昨年から始めています。06年の第1回調査は介護予防の対象となる可能性の高い従来の要支援、要介護度1の方を対象とした「利用者調査」と、「自治体調査」、「地域包括支援センター調査」を実施しました。生活者ネットワークもメンバーの一員として、特に「介護予防」等に関する自治体の現状と具体的な取り組み、さらに今後地域の新しい拠点として注目される地域包括支援センターがどのような体制になっているのか、調査活動に積極的に参加しました。
07年度の第2回は、継続した「利用者調査」、「自治体調査」、「地域包括支援センター調査」、そして新たに「事業者調査」を行います。6月12日にはスタート集会(写真上)、7月9日には学習会が開催されました(写真下)。
制度改正から1年が経過し、介護予防の仕組みづくりはどこまで進んだのか、本来、介護予防はどうあるべきなのか、実態調査を制度検証の議論につなげます。