脱「格差・沈滞・不安社会」のビジョン
市民の政治学校2006スタート!
「私たちはどのような社会を目指すのか脱『格差・沈滞・不安社会』のビジョン」
4月にスタートした基礎編は4回で終了し、6月から市民の政治学校2006がスタートしました。
初回の講師は、北海道大学公共政策大学院の宮本太郎さん。
宮本さんは、冒頭で小泉構造改革の背後にある人間観「不安と競争の人間観」に対して「安心と連帯の人間観」が要だと指摘。
子ども期から老齢期まで一定の流れですすみ、やり直しがほとんどきかないこれまで日本社会は「一方通行型社会」で、一旦違う道を選択すると元の道(学校や職場)に戻れない非合理的社会であり、このような社会が経済の停滞を招いていると話されました。
これまでは、一方通行型社会であると同時に、カイシャと家族依存の囲い込み社会であることでその弊害は見過ごされてきました。しかし、囲い込み社会が崩壊し、格差・沈滞・不安が広がったいま、脱格差社会と強い経済に必要なことは、人々の能力を引き出し、最適な雇用を見つけ出すための自由選択・能力形成への支援です。
宮本さんは、「安心と連帯の人間観」に基づき、育児・介護、学習・訓練、労働の場を自由に行き来できる「交差点型社会」を、NPOも含めたベストミックスで構想していこうと提言され、講演を締めくくられました。
これからの社会ビジョンにむけて基本的な考え方を学ぶ講座となり、受講者からは今後の講座への期待の声があがりました。