小金井市地下水保全条例制定!
東京で初の取り組みを各地に拡げよう!
市議会議員/小山美香
3月8日、小金井市議会は全会一致で、「地下水保全条例」を制定しました。小金井・生活者ネットワークが2001年6月議会で提案して以来3年、各会派や市当局、環境団体などが連携し合意形成を図ってきた成果です。水循環の要で、飲料水としても優れている地下水を飲み続けたい、はけの湧水を守りたいという市民の思いが全議員を動かしたことはいうまでもありません。
市民立法で地下水を飲料水に
地方自治法の改正で、議員数の12分の1の発議で議員提案が可能になったことを受け、2000年に東京・生活者ネットワークでは「議員提案研究会」を発足させ、「地下水の保全」を議員提案のテーマとしました。
生活者ネットは、これまでも各地で身近な川の水質調査や水みち調査などを行い、東京を水循環のある水源自立都市にと提案してきました。1999年には都も「水循環マスタープラン」を策定し、部門別の水施策から、水循環の視点で、総合的・体系的な施策へと転換することを目標に掲げました。
しかし、地下水の抜本的・総合的な法制度は未整備で、ダム建設が優先され、地下水から河川水への切り替えがすすめられてきました。都も地下水保全を掲げながら、具体的な対応は無策といわざるを得ないのが実情です。
地下水保全と湧水の回復—小金井市からの第一歩
小金井市には地下水が湧き出る国分寺崖線があり、市民は地下水が70%含まれる水道水を飲んできました。地下水の保全にむけた市民の関心は高く、雨水浸透ますの設置率は例年世界第1位です。一方で、都市化の進行とともに地下水と湧水への影響は深刻になってきています。
01年3月の小金井市議会改選で12分の1の2議席を獲得した生活者ネットは、改選後の初議会で市民とともにまとめた条例案を提案し、建設環境委員会に付託されました。その後、他会派との調整・交渉等で一旦取り下げ、広く市民団体との連携を深めながら条例案を再提出し、調整期間を経て今回の制定となりました。
東京で初の取り組みとなる条例の目的は「安全な飲料水の確保」「地下水保全と湧水の回復」にあります。この目的のために市は必要な措置を講じるものとし、地下水の水位・水質・流れと湧水の現況を把握する▽地下水に影響を及ぼすおそれがある工事には届出を求め、措置等の情報収集に努める▽情報を分析し、いずれ市が地下水影響工事や地下水の流れの確保まで指導できるよう、専門家による地下水保全会議を設置する——など、画期的な内容となっています。
近隣自治体〜広域連携で地下水保全を国や都に先駆けて、地下水を飲料水として位置づけ、水循環を保全、再生していく小金井市の条例が果たす役割は大きく、この条例を起点に、同様の動きが多くの自治体に広がることを期待します。