小池知事初の予算:2017年度東京都予算案発表にあたって (生活者ネットワーク:談話)
2017年度東京都予算案発表にあたって(談話)
2017年1月25日
都議会生活者ネットワーク
幹事長 西崎光子
本日、2017年度予算案が発表されました。
昨年夏誕生した小池都知事による初めての予算ですが、先行き不透明な経済状況で企業収益の減少や長引くゼロ・マイナス金利の影響を受け、都税収入は6年ぶりに減少、5兆911億円を見込んでいます。一般会計の予算規模は、0.8%減の6兆9540億円となりました。
知事は、2017年度予算を「『新しい東京』の実現に向けた改革を強力に推し進め、明るい未来への確かな道筋を紡ぐ予算」と位置づけ、メリハリのついた予算であると特徴づけています。これまでの予算編成プロセスを見直し、復活予算を廃止しました。慣例のように実施されセレモニー化していたので、この結果は評価するものです。実際に、復活予算の対象となっていた市町村総合交付金や特別区都市計画交付金などは、区市町村を応援するものであり、復活要求がなくても増額されています。
一方、知事が一部の各種団体から直接ヒアリングし、予算づけを当該団体に返すやり方については、情報公開や予算編成の見える化に寄与する面はあるものの、恣意的になるのではないかという懸念があります。それを払しょくするために、どの団体についても各局が要望を聞き、公平公正に判断する必要があります。
今回の予算案は、子どもへの教育予算の増額、女性の再就職や起業への支援など、生活者ネットワークがこれまで要望してきた「人への投資」が盛り込まれ、さらに予算の表現についても、都民や子ども向けにわかりやすくするためのさまざまな工夫が見られます。
若い世代の人たちが、仕事を続けながら子育てしやすい社会をつくるためには、保育園などの整備、働き方の見直し、ワークライフバランスの推進など、取り組みを進める必要があります。
パラリンピックを開催する東京こそ、高齢者、障がい者など、人にやさしいバリアフリーのまちづくりを推進していくことが求められます。
都議会生活者ネットワークは、「やさしさをレガシーに」となるような、子ども、若者、女性、高齢者など、人への投資を重点に、環境に配慮し、地域で安心して暮らせる持続可能な社会の実現に向けて、予算審議などを通じてチェックしていきます。