豊洲の環境対策は食の安心・安全を最優先に

小池知事記者会見(9月30日)の盛り土問題調査結果の報告を受けて

2016年9月30日

都議会生活者ネットワーク

                        幹事長 西崎光子

小池知事は、本日の記者会見において、豊洲市場の盛り土がなかったことについての調査結果を報告しましたが、豊洲市場の今後の去就については、プロジェクトチーム、および再招集した専門家会議の検討を待つとしました。

盛り土をするはずだった地下空間にたまっている水は、地下水由来のものと思われますが、都の調査では、基準をこえる汚染はないとの報告がされました。しかし、微量の有害物質が検出されており、専門家会議の提言通りの環境対策(盛り土)が実施されていないことも鑑み、食を扱う施設としての安心・安全への懸念は払拭できないと考えていたところ、このたび、5街区青果棟のモニタリングポイント3か所から、基準値を上回るベンゼンとヒ素が検出されたことが、9月29日、明らかになりました。

2014年10月の土壌汚染対策工事の完了より、7回にわたる東京都のモニタリング調査では、これまで基準値以上の有害物質は検出されていませんでしたが、今回の基準値を超える有害物質の検出は、過去の東京ガス工場の操業に由来する土壌汚染の除去対策が充分ではなかったことを意味します。

生活者ネットは、万全の環境対策によって環境基準をクリアする成果を得たとしても、食べ物を扱う施設としての市民の安心・安全のレベルには成りえないとして、豊洲を移転先とすることに異を唱えてまいりましたが、安心・安全レベルどころか、最低条件ともいえる環境基準を達成していないことは、重大な瑕疵であると考えます。

この問題の発端当初、土壌汚染対策の2年間のモニタリングでの環境基準の達成の確認なくして開場はできないとの知事の見解のもと、市場の開場は延期されました。モニタリング調査の結果、環境基準を超える有害物質が検出されたことは、市場の開場のみならず、豊洲移転・市場整備の見直しを迫る、重大事由であると考えます。

専門家より求められた環境対策が実施されないまま建物が建てられていることも含め、現況の環境汚染状況の全面的調査を行い、必要な追加対策によって汚染をすべて除去し、可能ならばこれからでも盛り土を行い、さらにその対策で環境基準を達成する成果が得られることを確認することなしには、少なくとも新市場の開場は認められません。

生活者ネットワークは、食の安心・安全が実現できる市場整備の実現のために、都知事をはじめ、都が全力を挙げて取り組むことを求めます。

以上

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