敗戦後71年目の夏の終わりに 子どもの自殺を止めよう
敗戦後71年目の夏が終わろうとしている。参院選を経て、民意の大多数が、憲法・特に9条改憲に否定的であるにもかからず、改憲勢力が国会で圧倒的優位を占めることとなった。2016年夏ーー秘密保護法、安保法制に反対し、その成立過程に疑義を述べ、日本社会に「民主主義」のあり様を問い返した学生団体「SEALDs」が解散した(SEALDs沖縄を除く)。生まれる前にバブルははじけていた、小学生で9.11を、中高生時代に3.11を経験した彼・彼女たちが、街頭をステージに体現し、残したもの。たくさんの尊きそれらを生み出したのもまた、私たちの市民社会なのだと信じたい。民主主義を保守しつくり直す本当の闘いはこれから始まる。
昨年度9月1日の「子どもの自殺」が突出
そして、2016年秋――夏休みを過ごした子どもたちが学校に戻ってくる。新しい季節を迎えて、若い力がふたたび集う、そういう学期がまた始まる。一方で、昨年度9月1日の「子どもの自殺」が突出して多く、また、学校の長期の休み明けに集中・増加していることが、「自殺対策白書」(内閣府)で明らかになった。
1972年~2013年の42年間の18歳以下の子どもの自殺について、年度・日付別に再集計・分析したもので、昨年度をみると、夏休み中は比較的少ないが、夏休み明け初日の9月1日だけは131人と、他の日に比して突出。次いで多いのが春休み明けの4月11日の99人。4月8日95人、9月2日94人、8月31日92人と続く。学校になじめない、いじめや人間関係に不安、居場所がないなど、学校が始まることへの苦痛にさいなまれ、絶望に追い込まれていることがわかる。
この傾向は、すでに、全国不登校新聞や、不登校の子どもたちの居場所・学びの場を提供してきたフリースクールなどが指摘もし、対策・対応の必要性を提起してきたことでもあるが、今回の分析から改めて、長期休み明けの子どもの自殺者が多いことに驚きを禁じえない。
「“いのち”をかけて学校へ行くのではなく、学校を休んでいい」…を伝えたい!
■子ども相談でんわ「シューレテレ」
――“いのち”をかけて学校へ行き、“いのち”を断つに至るのではなく、まず、学校を休んでほしい。そしてフリースクールや家庭など学校以外の選 択肢があることを知ってほしい――と、学校以外の学びの場の必要性やのフリースクール支援の実現を求めてきたNPO法人東京シューレでは、子ども相談でんわ「シューレテレ」を開設するほか、子どもたちへの動画メッセージ発信などのアクションを開始するとのこと。
■子ども相談専用電話番号 03―6680―8094
■8月25日(木)午後6時~8時をスタートに、毎週木曜日の午後6時~8時
「学校に行きたくない」「友達のことで悩んでいる」…こんな相談、どんな相談にも応じています
■4152(よいこに)電話相談
東京都児童相談センターでは、18歳未満の子どもに関する様々な相談を受けている。(子どもでも大人でも)誰でも相談でき、名前を名乗る必要はない。相談内容によっては、他の相談機関にもつないだり、救済が必要な場合は権利擁護対応も。
■相談電話番号 03―3366―4152
■月曜日から金曜日 午前9時から午後9時
土曜日・日曜日・祝日 午前9時から午後5時
(12月29日~1月3日を除く)