2016年東京都知事選を終えて
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2016年東京都知事選を終えて
――鳥越俊太郎さん敗退 みんなで共闘・みんなで走り抜けた17日間――
2016年8月1日
東京・生活者ネットワーク
東京都では、この4年間で3人もの知事が任期途中で辞任、うち2人の知事が、「政治とカネ」の問題で議会から追及され辞任に追い込まれたなかでの、今回の選挙となりました。
東京・生活者ネットワークは、学生・市民らによる「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」と、野党4党による「野党共闘」と連携し、2016年東京都知事選挙に取り組むことを方針化、自由・人権・平和・立憲デモクラシーを首都・東京から回復する決意を表明し、非核・脱原発!生活課題の解決と福祉の向上!都民参加と情報開示で都民に「都政を取り戻す」と宣言し立候補した、ジャーナリストの鳥越俊太郎さんを応援してきました。さらに、終盤を迎えるにあたり政策協定を交わし推薦し、生活者ネットワークの政治姿勢を明確にし、総力体制で選挙戦を共闘しました。
今回の都知事選挙には過去最多の21人が立候補し、投票率も前回を13.59ポイント上回る59.73%と、比較的高い投票率となりました。投票結果は、事前の予想報道に同じく、鳥越俊太郎さんは 1,346,103票(3位)と、新知事に選出された小池百合子さん、自公推薦の増田寛也さん(2位)、両者のリードを覆すには至りませんでした。鳥越さん本人は敗戦の弁を、「準備不足」と述べていますが、告示2日前に決意し、首都・東京の首長を選ぶ選挙に立ち向かうには、あまりにも時間が足りなかったことは否めません。
初の女性都知事となった小池百合子さんですが、「新しい歴史教科書をつくる会」の支援を受けていることや、歴史修正主義を掲げる日本会議のメンバーであること、度重なる核武装発言などなど、その政治的立脚点には憂慮すべき事柄が多々見られます。4年後に行われるオリンピック・パラリンピック東京大会費用の検証を力説しますが、知事の当然のしごとであり、また、小池さんが掲げるスローガン「都民が決める 都民と進める」に異論はないものの、1360万都民が暮らすまち・東京都政の課題は山積しているのが実情です。待ったなしの高齢者施策、若者の非正規雇用の増大や増え続ける保育所の待機児童、深刻化する子どもの貧困など足元の生活課題にこそきちんと目を向け、政治的解決を果たしていく、そういう都政が求められていると、私たちは考えます。
東京・生活者ネットワークは、今回の都知事選挙は、参議院選挙を経て衆参両院ともに改憲勢力が3分の2以上を占めていることを受けて、立憲民主主義を首都・東京からつくり直すチャンス、安倍政治の流れを堰き止め、変える好機、リターンマッチ選挙になると捉え臨みました。残念ながら結果を出すことはできませんでしたが、選挙戦を通じて、憲法を守り生かすまち・東京、希望のまち・東京の未来をあきらめない若者、女性、多くの市民らが、野党4党や生活者ネットワークなどの団体とともに連絡会を形成し、共闘したことは、安倍政権に対峙する市民パワーの結集そのものでした。