国際女性デー2015院内集会「戦後70年、前へ!“Time to Move Ahead”」開催される
女性が参政権を得て70年が経とうとしています。しかしながら、日本では、女性の政治参画は遅々としており、進められてきたとは言えません。現在の日本の国会議員の女性議員の割合は衆議院9.5%、参議院15.7%。対して世界平均は22.2%、アジアの平均18.8%と比べても最低水準にあります。国際比較でも190カ国中153位と低迷しています。ノルウェー、フィンランド、スウェーデンから始まり、90年代半ばEUなど各国に拡がった、候補者・議席の一定比率を女性に割り当てるクオータ制は、女性の権利を保障するしくみとして各国の法律や政党の綱領などに導入され、女性の政治参画が遅れていた隣国韓国でも2000年に導入、現在は16.3%となっています。日本は「二周回遅れ」といっても過言ではありません。
今こそ女性の政治参画を前へ!
このような中、3月8日の国際女性デーを前に3月6日、参議院議員会館を会場に「国際女性デー2015【院内集会】戦後70年、前へ!“Time to Move Ahead”」が行われました。駆けつけた参加者は約170人。
主催団体の『クオータ制を推進する会』(略称:Qの会)代表の赤松良子さんのあいさつに始まり、駐日アメリカ大使のキャロライン・ケネディさん代理で政務担当公使のダーナ・ウェルトンさんからはメッセージが。第1部では、2015年2月26日に設立された『政治分野における女性の参画と活躍を推進する議員連盟』(現在45名)から中川正春議連会長、野田聖子同幹事長など超党派の衆参国会議員があいさつ。第2部の基調講演では、「日本の課題―“Women’s Political Empowerment”」と題して、中北浩爾さん(一橋大学教授)が講演、朝日新聞政治部次長の秋山訓子さんがインタビュアーとなって、クオータ制導入の具体策などをききました。 第3部のパネルディスカッション「途を開く“The Road Ahead”」では、2人のパネリスト、嘉田由紀子さん(びわこ成蹊スポーツ大学学長/前滋賀県知事)と山口二郎さん(法政大学教授)が、それぞれ女性の政治参画の必要性とクオータ制について提起しました。
第4部の、「アピール:挑戦“United We Stand! ”」では、それぞれ女性の政治参加を進めている5団体が発言しました。最後は、三浦まりさん(上智大学教授)のビデオメッセージ、申キヨンさん(お茶ノ水女子大学准教授)の言葉で締めくくられました。
第4部で、東京・生活者ネットワーク代表委員で都議会議員の西崎光子は、生活者ネットワークの成り立ち、1979年から女性を議会に送り続けていること、「政治を生活を豊かにする道具に」をモットーに、女性が中心となって牽引した直接請求運動を経て東京都食品安全条例の成立を導いた実績や近年の原発都民投票運動、この4月の統一地方選には50人の女性候補者を擁立、などをアピールしました。
「202030」、これは第3次男女共同参画基本計画で掲げられた、女性が指導的地位に占める割合の目標です。同時に政治分野における衆参両議院の候補者に占める割合も2020年に30%にすることが目標とされました。この目標をクリアするためにはクオータ制の導入は必須です。クオータというとQUARTER=「4分の1」と解釈してしまいまがちですが、クオータ制のクオータは、QUOTA=「割り当て」を意味します。そもそも女性の政治参画を進めることは民主主義の根幹であり、『多様性を認めることが将来の活路をみいだすこと』につながり、その実現はマイノリティや少数意見の尊重に、確実につながります。クオータ制の導入において、「なぜ、女性に下駄をはかせるんだ、という問いに、女性は裸足なんだ。足かせがあるんだ」と説いた議連の男性議員の話がありました。クオータ制は優遇策ではなく、女性の権利であることを主張していくことは、政治における、社会的偏見による課題の選別をなくしていくことにつながるはずです。戦後70年、日本のめざすべき社会のありようが問われている今こそ、女性の政治参画が求められています。
※国際女性デー:3月8日は、International Women’s Day です。1904年3月8日ニューヨークで働く女性たちが、婦人参政権を要求してデモを起こした日を記念して、国連は、1975年の「国際女性年」以来この日を「国際女性デー」と定め、世界中の国で女性が連帯して行動しています。ミモザの花がシンボルです。