分権に逆行する「財政健全化法」
市民政治学校 財政学習会開催
生活者ネットの議員経験者で構成する「未来プロジェクト」が企画し、成立したばかりの「財政健全化法」について、自治総研の菅原敏夫さん(右の写真)を講師に学習会を開催しました。
「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」(財政健全化法)は、今年(2007年)6月15日に成立し、2008年度決算からの適用となります。この法律には、自治体の財政診断の基準になる新たな4つの指標が規定されており、国はこれらの指標に基づいて自治体が試算した状況を判断し、段階を設けて再建が必要な自治体を指定し、国の管理下に置くことになります。まさに、「税源も含め国の持つ権限を地方に」という分権時代に逆行している法律といえます。
総務省は、7月上旬、各都道府県を通じて市区町村に対して、4指標がどのくらいの水準になるのかを試算させました。そこから、4指標の健全化判断比率や再生判断比率などを決め、政令を作成し、秋には公表する見通しです。2008年度の決算から適用ということは、現在策定中の2008年度予算が問われるということであり、自治体の現場は戦々恐々であるとも予想されます。
問われる自治体議会の力量
「財政健全化法」では、議会への報告義務が明文化されたことも重要で、自治体の力量かつ議会の力量が問われることになります。2008年度予算編成に向け、いかに議会としての責任を果たすのか、そのことが問われています。「財政再建」ばかりが優先され、生活現場の問題や課題が置き去りにされないように、市民生活を守ることこそが議会の責任です。
生活者ネットは、各自治体の4指標の数値を収集し、その数値が意味する中身について、議論をはじめました。
今後も、財政についての学習会を開催していく予定です。
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