「ねじれ国会」に開かれた国政が見える

大河原雅子さんを囲んでフォーラム

昨年7月の参議院選挙により生じた「ねじれ国会」。その影響で法案も人事も決まらない、首相の訪欧もできないため洞爺湖サミットに向けた事前活動に支障…など弊害ばかりが言われるが、本当にそうなのか?

ろくな議論もなく強行採決が横行していた国会が、より民主的な開かれた方向に改善されたと見ることだってできるのでは——。東京・生活者ネットが大河原雅子さんを呼んで4月26日に開いた国政フォーラムで、そう感じた。国会のねじれは、民意の表われにほかならない。

失点が続く福田政権は支持率の低調から抜け出せず、山口2区の衆議院補欠選挙結果は、地域の現場にいる人たちが、現政権にノーを突きつけたということだ。しかし、その民意を忖度することなく、選挙の3日後、衆議院において今年2度目の再議決が行なわれ、ガソリン税の暫定税率が復活した。また、年金や医療に代表される社会保障制度の破綻は、とくに地方にダメージを与えた。これらのことで、国民は、政治が直接生活に影響するということを実感している。

だからといって、小沢民主党も支持を伸ばすことにはなっていない。フォーラムでは、参加者から、党内で憲法解釈が分かれる点について質問が出るなど、大政党であるがゆえの民主党が抱える問題が指摘された。

しかし、「課題は生活の現場にしかない」という言葉が国会議員になった大河原さんの口から語られると、これまで以上に真実味を増す。介護保険見直しなど、生活に直結する課題が山積するいまこそ、現場から拾った課題を国につなげていきたい、と改めて考えた。

東京・生活者ネットワーク
運営委員・小松久子(杉並区議会議員)

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