東京で広げたい、コミュニティハウスという住まい方
住まい方の視察から
コミュニティの崩壊が進み、 子育てや防災・防犯などを地域でどのように支えあうのかが課題となっている。 東京の住まいがコミュニティづくりに逆行する一方で、 個人を尊重し、 血縁を超えてたすけあえる共生住宅として、 コーポラティブハウス、 コレクティブハウスなどの取り組みが各地で増えつつある。
2008年7月、東京・生活者ネットワークは、住まい方・コミュニティ政策研究をテーマに奈良県斑鳩の里にある 「コミュニティーハウス法隆寺」 を訪問した。 株式会社方式で、 居住者が出資し、 法人と賃貸契約を交わす (出資金一人750万円、 管理・共益費月2万円)。 50歳代から80歳代の4夫婦、 3個人が、 それぞれの生き方や暮らし方を尊重しながら共同生活を送っている。 運営などは話し合いで決めるが掃除などのルールは決めずに、 それぞれが得意な分野を受けもっているという。 共有部分のホールからは田園風景を望み、 住居は個々人の好みの設計で個性があふれ、 一人一人の居場所が心地よく保たれている。 一方、 空き室の譲渡やメンテナンスの資金づくり、 高齢化が進んだ時の介護の問題などは依然として課題であるようだ。 何より資金がなければ入居できない。
経済力のない高齢女性の一人暮らしが増える東京では、 都有地の活用や、空き家、民間共同住宅の建替などにおいて、行政が共生住宅を提唱し、資金面の支援を行うなどの提案が必要となる。
都議会議員[練馬区]/東京・生活者ネットワーク代表委員 山口文江