沖縄に基地はいらない! NO BASE! OKINAWA
1996年、日米政府が設置した沖縄に関する特別委員会(SACO)で合意された基地移転先は、名護市辺野古。当然、名護市民は強く反発、さまざまな困難を抱えながら反対運動を行ってきた。沖縄戦、日米安保、普天間……1945年の米軍占領以来65年のながきにわたり、沖縄に住む人々の願いとは裏腹に、軍事基地は年を追って強化拡充され、米軍による事件・事故、基地が存在するが故の被害は後を断たない。沖縄の民意=県民共通の無念は、09年総選挙、名護市長選挙を経て、県議会の「県内移設反対」全会一致決議にあきらかであり、「普天間基地の即時閉鎖、返還」「新たな軍事基地は県内につくらせない」決意なのだ。それは、25日に予定される沖縄県民大集会に結集され、さらに大きなうねりになるに違いない。
昨年8月の総選挙時、現鳩山政権が公約した「辺野古移転見直し」「移設先は最低でも県外」とした発言や、さらに「沖縄県民の負担軽減の観点から、米軍再編や米軍基地のあり方について見直しの方向で進む」とした3党連立合意に沖縄県民は大きく期待してきた。しかし鳩山政権は、恒久的な新基地建設への米国側の圧力や、早期解決しなければ日米同盟は危機に陥るといった時代錯誤のマスコミ報道などを背景に、今日にいたってなお迷走するばかりだ。
これまで、沖縄の人々に基地の重い負担をしわ寄せ、沖縄の豊かな自然環境を破壊し、騒音・事故・犯罪、戦争の危険と隣り合わせの日常を強いてきたのは、日本政府がその独立と引き換えに締結した日米安保条約にほかならない。であれば、沖縄の基地問題は、それを負わせている本土の問題、東京に暮らす私たち市民の問題だ。私たちは今できることから行動を始めなくてはならない。国内外から発せられている「沖縄に基地はいらない!」「NO BASE! OKINAWA」の声を日米政府に届け、地域から国会議員に働きかけ、集会やデモへ参加し連帯の意思表示を広げるなど、できることを始めなくてはならない。
折りしもこの6月、日米安保条約が発効して50年の節目を迎える。新政権であれば、1972年、沖縄返還協定締結時に、沖縄県民が希求した「核も基地もない平和憲法への復帰」に向かう地歩をいまこそ標し、確かな一歩を踏み出すべきだ。
東京・生活者ネットワーク