東日本大震災から12年――被災地の子ども・若者の今と、20年後に向けた支援を考えるシンポジウムから
東京・生活者ネットワークが賛同参加している「東日本大震災子ども支援ネットワーク」(森田明美事務局長)が、東日本大震災から12年の日に寄せて、以下の発信を行いました。
東日本大震災から20年に向けて求められる支援
森田明美 東日本大震災子ども支援ネットワーク事務局長
東日本大震災から12年を迎えました。私たちが主に被災地で支援してきた中高校生たちはすっかり成長し、新しい土地での仕事への取組みや家族の形成などの報告をしてくれる人たちが出てきています。
12年の間に子どもは青年期を経て大人になってきたのです。被災時と、その後に厳しい体験をした子ども・若者たちは、その体験を時に脇にかかえながら成長しています。その、積み重ねてきた日々の中には、うれしい報告もたくさんありますが、一人や家族だけで抱え込むには耐えられないことも多くあり、そんなことが時折私のところに持ち込まれます。様々な連絡をくれる若者たちには、丁寧な「誰か」の寄り添いが重要であると思うときがたびたびあります。そんなわけで、子ども・若者たちの新しい人生の一時期にかかわった大人として、今後も寄り添い、変化を共有し続けたいと思っています。
さて、コロナ感染症下にあって、それまで国会議員会館で開催していた東日本大震災子ども・若者と支援者の意見交換会の拠点を、宮城県議会に移して、3回目の会を開催しました。東日本大震災子ども支援ネットワーク事務局長として、活動を共有してきた東日本大震災子ども・若者支援センターが、宮城県議会こども政策研究会と合同で主催する形で開催しています。
昨年度は被災した若者たちが何人か参加して近況報告をしてくれましたが、今年は学校や仕事での日程が合わず、宮城県議会議員や県職員の方々、被災3県で子ども・若者支援にかかわる大人たちが集まり、実施することになりました。2023年2月27日に宮城県議会ロビーで開催した東日本大震災子ども若者支援について考えるシンポジウムの動画が完成しました。今回は宮城県議会のご尽力で、復興庁宮城復興局 局長 中島洋 さんの講演と、私・森田との今後の復興における子ども・若者支援にかかわる対談が実現しています。
共催している東洋大学福祉社会開発研究センターのHPにアップしてもらいましたので、以下のURLからご視聴ください。
シンポジウム;「東日本大震災から20年に向けて求められる支援」(録画動画の公開)
■テーマ「東日本大震災から20年に向けて求められる支援」■主催:一般社団法人東日本大震災子ども・若者支援センター/宮城県議会議員こども政策研究会■共催:東日本大震災子ども支援ネットワーク/東洋大学福祉社会開発研究センター■日時・会場:2月27日 14時~16時 宮城県議会 1階フロア
■基調報告:地震、津波、原発事故に続く第4の災害がもたらしたもの
一般社団法人東日本大震災子ども・若者支援センター 代表理事/宮城学院女子大学教授 足立智昭さん
■震災から12年が経過した子ども・若者たちの今
NPO法人ビーンズ福島 理事長 鉢博之さん
NPO法人チャイルドライン宮城 代表理事 小林純子 さん
認定NPO法人インクル岩手 理事長 山屋理恵さん
一般社団法人東日本大震災子ども・若者支援センター/東北福祉大学准教授 清水冬樹さん
一般社団法人東日本大震災子ども・若者支援センター/東北学院大学教授 平野幹雄さん
■復興施策における子ども・若者支援の今後
復興庁宮城復興局 局長 中島 洋さん
東日本大震災子ども支援ネットワーク事務局長/東洋大学名誉教授 森田明美
森田明美 もりた・あけみプロフィール
東洋大学名誉教授(同社会学部教授を2022年3月に退官)。子どもの豊かな暮らしを創る―子どもの育ち支援、総合的な子育て支援の重要性に一貫して着目、児童福祉学領域における研究活動に携わると同時に、国連 NGO 子どもの権利条約総合研究所監事、子どもの人権連代表委員、NPO 法人こども福祉研究所理事長、子どもの権利条例東京市民フォーラム事務局長、東日本大震災子ども支援ネットワーク事務局長、世田谷区子ども若者協議会会長、世田谷区子ども子育て会議会長、埼玉県和光市子ども子育て支援会議会長、東京都西東京市子ども子育て審議会会長などの職を歴任、現在に至る。著書・共著に、子どもの居場所ハンドブック(日本評論社)、よくわかる女性と福祉(ミネルヴァ書房)、子どもの権利–日韓共同研究(日本評論社)、シングルマザー暮らしと福祉政策–日本・アメリカ・デンマーク・韓国の比較調査(ミネルヴァ書房)、子どもにやさしいまちづくりー自治体と子ども施策の現在とこれから(日本評論社)ほか多数。