2021年第2回定例会を終えて(談話)
2021年第2回定例会を終えて(談話)
2021年6月7日
都議会生活者ネットワーク 山内 れい子
本日第2回定例会が閉会しました。
オリンピック開幕まで50日を切った今になっても、開催の是非について議論がやみません。ようやくワクチン接種が始まりましたが、コロナ感染者数は高止まりが続いています。長引く自粛生活疲れで人出は増加し、新たな変異株の出現など、収束が見通せる状況にはありません。専門家は東京大会開催による感染拡大や医療体制の逼迫を指摘しており、大会開催に向けて科学的な指標やリスクを明らかにすべきです。生活者ネットワークは、感染拡大の懸念がなくならない限り開催すべきでないことをあらためて申し上げます。
現在、コロナ対策はワクチン接種が中心になっています。これまで1年以上にわたり、場当たり的なコロナ対策の費用対効果が総括・検証されないまま次々と実施されました。それが現場の混乱と保健所や医療機関関係者の疲弊を招きました。都のコロナ対策については、補正予算が29回に及び、全部で4兆5000憶円を超えましたが、緊急事態宣言の延長が続くなか、終わりは見えません。
昨年度以来、都では、コロナ対策補正予算の専決処分が繰り返されました。事業実施のスピードを理由に議会軽視と議会の怠慢は許されません。生活者ネットワークは、通年議会の導入を提案しています。
今期は議会改革検討委員会が設置され、議会基本条例制定への期待も膨らみましたが、議論の入り口だけで終わってしまいました。都議会を活性化するためには、議員同士のオープンな議論ができるよう、議会改革を進める必要があります。
現在国は第6次エネルギー基本計画を策定中ですが、都が国に先駆けて発表した2050年CO2ゼロや2030年マイナス50%を確実に実現することが重要です。国もようやく脱炭素に向けて舵を切り始めましたが、気候変動対策を理由に自民党内には原発の新増設を求める動きが報道されています。再エネは電気代が高くなると言われていますが、太陽光や風力などの再エネは燃料代がかからず、輸入額を国内で回すことができます。省エネ・創エネを進め、国に対して再エネ利用を拡大するためのしくみづくりを求め、再エネによって原発ゼロをめざすべきです。
3月に制定した「東京都こども基本条例」を具体化していくのはこれからです。コロナ禍で貧困や虐待など困難を抱える子どもが増え、学校や地域の生活で行動制限や閉塞感に覆われています。条例を生かし、子どもの権利条約に基づいて権利救済・制度改善のしくみとともに子ども自身が参加・意見表明できる場をつくることが必要です。
コロナ・パンデミックによる女性への深刻な影響が明るみに出ました。女性は非正規雇用が多く、仕事が減って収入が減少、住まいも失い生活が立ち行かなくなる事態になっています。セクハラ、DV、性暴力についても解決には程遠く、慣習や意識変革と制度改善が必要です。ジェンダー平等の視点ですべての施策を問い直すジェンダー主流化が今こそ必要です。
都議会生活者ネットワークは、都議会には女性議員がもっと必要であり、安心して地域で暮らせる持続可能な街、環境・福祉優先の東京をつくるために、都議選での勝利をめざして全力で頑張っていきます。