「香害」をなくす!「成分開示」を国に緊急要望しました
香害をなくすために、成分開示を国の関係省庁に要望!!
生活者ネットワークは、柔軟剤などに含まれる香料による健康被害である「香害」の問題に積極的に取り組んでいます。地域の生活者ネットによる議会質問や予算要望で啓発ポスターの作成・掲示を提案・実現するほか、2020年には「学校保健における『香害』対策についてのアンケート調査」を実施し、東京都内の19自治体にある649校の小・中学校から回答を得て結果をまとめました。
また、消費者団体が行ったアンケートにも着目し、運動展開にコミットしています。
「学校保健における『香害』対策についてのアンケート調査」報告(生活者ネットワーク)
「香害をなくす連絡会」が実施した香害アンケートについての報告はこちら
https://www.seikatsusha.me/blog/2020/07/01/15085/
香害問題の根本解決のためには、啓発にとどまらず法的な規制に結び付けていくことが必要です。そのための第一歩として、いまは表示が義務付けられていない柔軟仕上げ剤や消臭剤などの成分の開示が不可欠です。市民の声を代弁する意味では区議会・市議会からの国への意見書提出にも取り組んできましたが、地域政党東京・生活者ネットワークとしても、国の関係省庁に対し、以下の2項目を求める要望書を7月30日に提出しました。
・柔軟仕上げ剤、消臭剤等を「家庭用品品質表示法」の指定品目にする
・香料の成分表示を義務付ける
メーカーの自主開示だけでは不充分、表示の義務付けを
提出と同時にヒヤリングも行い、消費者庁、厚生労働省、経済産業省、環境省、文部科学省の関係課が出席しました。要望に対しては、業界団体である石鹸洗剤工業会が自主的に製品成分表示、香料成分表示(大手3社のうち2社が実施)を行っており、指定品目とすることは考えていないという回答でした。しかし、この開示はインターネットで調べなければ出てこないもので、特に香料成分については英文表記で消費者にはまったくわかりにくいものです。この自主開示をもって対策がすすんでいる、と経済産業省ばかりか消費者庁までもが評価する姿勢には、疑問を感じざるを得ません。化学物質過敏症やアレルギー反応の原因究明をメーカー側にのみ委ねるのでは、国民の重大な健康被害を解決できないだけでなく、未然防止・予防の視点も欠落してしまうのは当然です。
科学的知見に基づく実態解明が進まなければ規制の対象にはできないということであれば、その解明は誰が行うのでしょうか? 被害に苦しむ当事者がその証明をしなければならないのでしょうか?
消費者庁も厚生労働省も経済産業省も、香料によって苦しんでいる人がいる現状があるということは認識しているとのことでした。この認識をもとに企業のために省庁が連携するのではなく、消費者や健康被害当事者のために連携し、規制や安全な商品開発のためのルール作りに動くことを期待します。これからも香害をなくすために他団体とも連携し粘り強く働きかけていきます。