2020年 都議会第2回定例会を終えて(談話)――ウイズコロナ/アフターコロナを生きる 命と暮らしが最優先される社会へ
2020年第2回定例会を終えて(談話)
2020年6月10日
都議会生活者ネットワーク 山内 れい子
本日第2回定例会が閉会しました。
今議会の補正予算を含めて、新型コロナウイルス対策に費やす予算は1兆円を超えました。緊急事態宣言は解除されましたが、感染はまだ続いており、コロナウイルスとの共存は長期的な対策が必要です。
•感染拡大防止協力金について
国の持続化給付金がなかなか届かず、休業した事業者が困り果てている姿が報道されていますが、都独自の協力金についても同様のことが起こっています。せっかくさまざまな支援制度をつくったにもかかわらず、手続きの煩雑さや提出書類の多さ・難しさによって申し込みをあきらめるようなことがあってはならず、厳しい状況にある事業者への支援は、時間との闘いでもあります。協力金の支給が1日も早く手元に届くよう、早期の改善を求めます。
•困窮者への支援
都は、インターネットカフェの休業で行き場を失った人向けにホテルを提供していましたが、ホテル利用者が滞在延長を断られる事態が起こりました。コロナの影響で仕事を失い寝泊まりする場もなくなった人への対応は、生活保護だけでなく仕事と住居を探すなど、それぞれの状況に合わせ寄り添った支援を実施する必要があります。今回の場合、都と区の役割の間に隙間がありました。これを教訓にして、制度設計の際には、利用者にとって使いやすいことを念頭に、きちんとつながる制度にすることを要望します。また、景気回復には長期間かかることが予想され、就労支援も長期的対応を求めます。
•避難所の感染防止対策
災害時の避難所には、新たにコロナ感染対策も求められています。地域の公共施設やホテルを活用するなど、自治体による感染対策を講じた避難所設置について、都が協力するよう求めます。
•PCR検査について
PCR検査の体制がようやくできてきたようですが、今後の感染拡大を防ぐために、症状がなくても対面の仕事をしている人たちの感染リスクを低減するため、より広く検査することが必要です。検査費用を都が補助して検査を受けやすくすることを要望します。
•福祉施設存続のための支援を
今回の新型コロナウイルス感染症の影響で、医療機関の経営が危機に陥っているということです。病院だけでなく、高齢者や障がい者の通所施設や訪問介護事業所などの福祉施設も利用者が減って経営難に陥っています。これらの事業所は、利用者にとっても利用者家族にとっても必要不可欠なものです。事業が継続できるように、都が財政支援をするよう求めます。
•ポストコロナ時代の環境対策について
ロナ対策のため、テイクアウトや個別包装が増え、プラスチック容器が多く使われています。7月1日からレジ袋有料化が始まりますが、今後はそれだけでは足りず、脱プラスチックを着実に進めていく必要があります。また、この間経済が停滞しましたが、経済活動を「これまで通り」の回帰に戻すことなく持続可能なものとし、気候変動対策に取り組んでいかなければなりません。
また、消毒薬として化学物質が多用されています。消臭除菌スプレーを人体に噴霧するなど間違った使い方や、化学物質の使用が増えることで、逆に健康被害を引き起こすおそれがあります。都としても警鐘を鳴らすべきです。
コロナの影響は、社会的に弱い立場の人にしわ寄せが集まることが顕著になりました。感染予防とともに生命と生活を守るため、セーフティネットの構築が不可欠です。
以上