豊洲移転は白紙撤回を含む抜本的見直しを!
豊洲新市場を巡っては、あるはずのない地下空間や、地下水から環境基準値を超える高濃度の有害物質が検出されたことが明らかになり、移転は完全に宙に浮いたかたちとなっています。都民や議会、市場関係者に対して、虚偽の報告を出し続けてはばからない都行政の責任が大きく問われています。
生活者ネットワークの主張
- 都議会において生活者ネットワークは、仮に環境基準をクリアする成果を得たとしても、食べ物を扱う施設として市民の安全・安心のレベルには達しえないとして、豊洲を移転先とすることそのものに、当初から一貫して反対を表明。
- 基準値を超える有害物質の検出は、盛り土のあるなし以前に、過去の東京ガス工場の操業に由来する土壌汚染の除去対策が充分でなかったことの証左である。今日なお、最低条件ともいえる環境基準さえ達成できていないことは、すなわち本来あるべき機能・性能・品質が損なわれている「瑕疵」であり、ここに至る行政府の責任が追及されなければならない。
- そもそも築地市場の取扱数量として水産、青果とも右肩下がりの実績にあり、市場の役割の縮小傾向が明らかであるなか、豊洲計画は進められてきた。施設整備計画の見通しそのものが過大であったことは明らかであり、大きな施設をつくった理由はなにかもまた、問われなければならない。
これまでの経過と生活者ネットワークの対応について
2004年 | 豊洲新市場基本計画策定される |
2008年 | 豊洲の土壌汚染(ベンゼンで国の基準4万3000倍)が明らかになり、生活者ネットは食の安全を第一義に、豊洲ではなく別の道を模索すべきと晴海をその候補地に提案。都は現在の最新技術をもってすれば無害化は可能とし、専門家会議の提言で2mの汚染土壌の入れ替えと新たな盛り土2.5mを施すことを決定 |
2010年 | 市場会計予算は築地再整備を再検討するという付帯決議をつけてかろうじて可決。生活者ネットは反対 |
2011年 | 予算特別委員会は与野党が拮抗する中、豊洲の土地取得費も含む予算を1票差で可決。生活者ネットは反対。2012、2013年予算も反対 ◎この予算には、多大な金を投じても環境対策を十分行うとの方針も含まれており、東京ガス工場創業時の地盤より下2mの土を入れ替え、その上に2.5mの盛り土を施すという提言(専門家会議報告書2008年7月)通りに進めることとされた。さらに技術会議が設けられ(2008年8月)、技術・工法の選択とその実行・完了を確認するという、それまでにない画期的な方法で対策がなされたはずであった(2014年11月、技術会議に対しても、汚染対策工事が完了した旨報告された)。 |
2014年 | 11月汚染対策工事完了 |
2016年 | 8月、小池知事、豊洲への移転延期を表明 ◎実際に建物が建ってみると、その地下は盛り土どころか、東京ガス操業当時の地盤より下2mの土の入れ替えすら行われていなかった。実際、都が発行している広報資料やホームページでも、建物は盛り土の上に建てる図面が掲げられていた。「この通りです」という答弁に、まさか行政が、市民や議員に嘘をつくとは思いも及ばなかったのである。◎都は、小池知事の厳命により設置された「豊洲市場地下空間に関する調査特別チーム」による調査結果を2016年9月30日に提出。自己検証報告では、どのような経過で盛り土をしないことが決められたかが時系列によって整理こそされたが、「いつ、誰が」というピンポイントに特定しての原因究明には至っていない。今後、公益通報制度を活用して、「誰に責任があるのか、特定の個人を詰めていく」としているが、庁ぐるみの責任回避、隠蔽体質は覆うすべもない。 |
2017年 |
1月16日、都議会生活者ネットワークは、豊洲移転の白紙撤回を含む抜本的見直しを求める申し入れを小池知事に提出。 2月22日、都議会は疑惑解明のための百条委員会設置を決定。 生活者ネットからは小松久子都議が委員会メンバーとして臨む。 3月11、18、19、20日開催の百条委員会には石原元都知事、濱渦元副知事、東京ガス関係者らが参考人招致される。 |
豊洲新市場問題
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豊洲新市場問題特別委員会審議の経過
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