「条例」や「憲章」が可能にする子ども自治体施策

子どもの権利条例東京市民フォーラム5周年記念集会開催される

子ども・若者・市民・研究者・行政担当者・超党派の議員らがネットワーク(東京・生活者ネットワークも呼びかけ人として団体参加)し、東京から子どもの権利実現をめざす「子どもの権利条例東京市民フォーラム」の5周年記念集会が、10月1日、早稲田大学文学部453教室を会場に開催されました。
多くの自治体から、市民・学生・議員・行政担当者たち約150人が集い、「各地で進む子ども施策の推進にとって、子ども条例、子どもの権利条例、子ども憲章などがどのような役割や効果を発揮しているのか。その現状とこれからめざしていくこと」などを、実践段階にある自治体から報告していただき、その方向性を確かめるとともに、市民、保護者、NPO、子どもたちなどがどういうかかわりを持っていくべきなのか、民間の動きも踏まえながら学びあう場となりました。
「パネルディスカッション」では、はじめに、同フォーラム代表の喜多明人さん(早稲田大学教授)から、全国各地の「条例、憲章制定の動き」と、「施策づくりにおける子どもの視点・子ども参加の必要性」が発信されました。続いて、全国に先駆けて「子ども憲章」(1996年)を制定した町田市、東京で初の「子ども条例」(2001年)を制定した世田谷区、また、全国初の総合条例「子どもの権利条例」(2000年)を制定し続く01年「人権オンブズパーソン条例」を整備した川崎市から、それぞれ報告を受け、その後、都内各地の動向もふまえながら意見交換がおこなわれました。
地方分権の時代をむかえて、全国各地で子ども支援の子ども施策が始まっています。その有りようはさまざまであり、いじめや虐待といった権利侵害に対する対応策であったり、子どもの一人ひとりの自分育ちを支えていけるように「居場所」や参加の機会を保障していこうという積極的な子ども施策であったりしています。そのような動きをつくり出していく一つの原動力であり、法的な根拠となるものとして憲章や条例がどのように施策を支えるのか、行政の仕組みはどのようになっているのかということを、パネリストの報告から具体的に知ることができ、参加者から学習が深まったとの感想が寄せられました。

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上:森田明美さん(東洋大学教授)のコーディーネートですすめられた、第1部パネルディスカッション。
下:第2部−市民が支える子どもの権利−では、「子どもの一次避難を福祉の立場から支援するカリヨン子どもの家、カリヨン扉の家」「ひきこもりやニートを支援するOnlyOneCrew」「東京シューレから子ども若者による、子どもの権利実現をテーマにした劇に取り組んでの報告」がおこなわれ、最後に弁護士の一場順子さん(東京弁護士会)から、東京都の「子どもの権利擁護相談事業」の実践から報告を受けた。その後、会場を含めて活発に経験交流がおこなわれた。

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